2025/10/05第5回ビール会報告

第5回ビール会(街歩き付)の報告

今回は記念すべき5回目です。
2025年10月5日(日)、
日本橋小伝馬町の「オル ナ カビーナ」にて、「ビール会(街歩き付)」を開催しました。

今回の街歩きのテーマ:日本橋その2「蔦屋重三郎」に思いをはせて・・・
馬喰横山駅で集合し、大河ドラマゆかりのスポット 
通油町GALLERY、耕書堂跡などを巡り、十思スクエア、
大伝馬町・小伝馬町の街並みを散策しました。

蔦重が吉原から新しい本屋の場所を日本一の繁華街、日本橋に求めたのには大きな夢があったのでしょう。
時が流れ、耕書堂跡があるこの辺りは、繊維を中心とした問屋街となっています。
日曜日の問屋街は人の気配が少なくて、まるで日曜日の学校のような静けさでした。
大河ドラマゆかりのスポットだけあって、我われの様に街歩きをしているグループとたくさん出会いました。


街歩きの後、主目的のビール会です。
会場は、「オル ナ カビーナ」。
L型に道路に面していて、ガラス窓が全開で、とても気持ち良い風に包まれています。


ハウスビールのノルウェービールが10種類、
日本各地のゲストビールが10種類とたくさんのビールを味わうことができます。
ビールをとても丁寧に注いでくれます。器具の手入れもきっと丁寧に行われているのでしょう。大事に扱われたビールはとても美味しい。
料理も美味しく、話が弾みます。
話の内容が高尚なメンバーと私の様にただの吞兵衛との会話が不思議と解け合います。

あまりにも楽しいので、話題が次回はいつにしよう、どこにしようと心がついつい次回の楽しみに向かってしまいます。さて、次回もまた新たな東京の魅力を発見する楽しいビール会になることでしょう。

次回は12月27日(土)、クリスマスも過ぎて、年の暮れに、ちょっと一杯どう?
どうぞお楽しみに!
                  文責 益田 聡(理工)
参加者(50音順、敬称略)
遠藤夫妻、奥田、向坂、今野、篠原、種村、益田聡、益田あけみ

2025/09/25第17回ボウリングの集い報告

 9月25日(木)高田馬場グランドボウル(ビッグボックス8F)
にて第17回ボウリングの集いが6名の参加で実施されました。
優勝はハンディに恵まれた岡野が快走しました。
2ゲーム目に秋田さんがスペアの連続で猛追いたしましたが、僅かに
及ばず準優勝。
実力者の藤原さんはターキー・ダブルを出しますが、スプリット、10ピンミスが出て3位。
前田さんはピンの手前で左右にワープし、ミラクルを演出。
パワフル大和田さんは1投目に股関節を痛め、豪快なストライクを出すものの、スペアが取れず。
今野さんは力んでしまい左に引っ掛けスコアにならず撃沈。
ペア戦は個人戦1位・2位の秋田・岡野組が圧勝しました。
 熱戦の後、定番の石庫問で表彰式を行ないました。
今回は深い話題で盛り上がり、更なる親交を深めました。
次回は1月を予定しておりま皆様のご参加をお待ちしております。

参加者:秋田美津子、大和田秀二、今野玲子、
      藤原雅博、前田育子、岡野勝

2025/08/30〜31 54らIN松山報告

024年秋の54らIN大阪に続き、2025年8月最後の週末に、第2回日本全国54らの旅が松山にて開催されました。

まず初日8月30日のイベントは、坊ちゃんスタジアム開場25周年を記念して行われる全早慶戦の応援。県庁前のホテルに集合した54ら16名(東京から13名、神戸から2名、地元松山から1名)が球場に向かいました。15時からのセレモニーでは、エール交換や大会実行委員長の中村時広愛媛県知事(慶應OB)のあいさつなどに続き、両校監督への花束贈呈は、今回の催しにコーディネーターとして関わって下さっている愛媛稲門会幹事長の大森豊さんが務められました。 16時に試合開始。現役選手も含めた全早稲田チームは5回までに4点を奪取、先発の高橋投手が好投して5回まで無失点といい感じで試合が進んだのですが、リリーフ陣が粘れず6回以降毎回失点で引き分けに終わるという、少々歯がゆい結果となりました。(なお、前日に名古屋で行われた全早慶戦も引き分けとのこと、ある意味平和な結果だったのかもしれないです)

試合終了後、夜は松山在住でコーディネーターを務めてくださった藤本富通さんの案内で、割烹むつのでの夕食。瀬戸内海の海の幸を中心に美味しいお料理を堪能しました。

翌31日はゴルフ組と松山観光組に分かれ、それぞれ松山の一日を楽しみました。観光組の私は、坂の上の雲ミュージアムや松山城、道後温泉など、初松山を堪能しました。お昼にいただいた宇和島名物の鯛めしも美味しかったです。ゴルフ組では大森さんが79という素晴らしいスコアで優勝されたそうです。

そして夜は松山市西部の三津にある檸檬楼にて、ここから参加の東京組2名も加わり、いよいよ54ら会IN松山! 三津は古くから漁業と商業で栄えた地区だそうですが、会場の檸檬楼は古民家を改造したという昔の遊郭を思わせるような洒落た建物。様々な、食べきれないほどの美味しいお料理に舌鼓を打ち、お酒を酌み交わし、歓談し、楽しく充実したひと時を過ごしました。そして最後はもちろん「都の西北」を皆で歌って締めくくりました。

翌朝、解散となりましたが、さらにしまなみ海道を目指す人、万博に向かう人、俳都松山をもう少し堪能する人、前乗りで宇和島まで行った人など、54らの皆さんはとてもパワフルですね。

日本全国54らの旅は今後も続きます。来年4月には長崎で行う予定ですので、どうぞ皆様、ご参加ください。

(宮田晶子 記)

参加者:岡野勝 小山田薫 岸本忠生 大森豊(松山稲門会) 小林章子 今野玲子 櫻井直子 首藤典子 戸叶哲 中村敏昭 番平均 日比野悦久 平野伸一 福島みどり 藤本富通 益田聡 益田あけみ 宮田晶子 横田敬介

松山コーディネーター:大森豊 藤本富通

担当:櫻井直子

2025/08/22夏の読書会報告

第22回 54らオンライン読書会(夏の読書会)報告
日時:8月22日(金)19時半~21時
参加者:10名
  篠原(一文)、沖(理工)、石河(一文)、首藤(一文)
  山口(理工)、露木(法)、仁多(商)
  斎藤(社学)、前田(一文)、宮田(政経)
  以上10名 敬称略

 今回は、英国のダガー賞受賞が話題となった『パパガヤの夜』から始まり、世界的に注目を集めているエマニュエル・トッドの『西洋の敗北』、しまなみ海道への旅を控えている方からは『村上海賊の娘』、現在放映中の朝ドラ『あんぱん』にちなんだ本など、今回もバラエティに富んだ本が紹介された。映画では、いま話題の『国宝』、そして前回の『教皇選挙』つながりでフランシスコ前教皇に関連した映画2本が取り上げられた。今年は戦後80年に当たるが、それに関わる本が紹介されたのも興味深かった。

なお、これまでの 読書会報告集Book List、もご覧いただけます。

(発表順、文体は常体に統一)

〇篠原泰司(一文)

『パパヤガの夜』王谷昌 、河出文庫

前半部のバイオレンスアクション(けんか)の圧倒的な迫力と後半部の逃避行の辿った広大な時空の広がりのコントラストが心に残る小説だ。読者を強く引き込むストーリー展開の途中に、次元が変わってしまうような不思議な部分が現れて、まるで魔術をかけらたような気分になる。「パパヤガ」というのはスラブ神話の魔女の名前らしいが、この小説自体がそもそも魔術を土台において書かれたのもかもしれない。思えば謎に満ちた主人公(新道依子)の出生、つまり彼女の両親はパパヤガなのかもしれない。そう考えれば大いに合点が行く。ぜひ映画なりドラマに仕立ててほしい作品だ。

映画『国宝』 李相日監督

2025年8月26日現在、実写映画(アニメではなく)の興行記録を塗り替えそうな勢いである。ほぼ3時間の長編なので様々な要素が詰まっているが、私は事前に九鬼周造の「いきの構造」を読んで、それを基にした視点を用意して鑑賞した。視点の中心はまさに主人公2人、喜久雄(吉沢亮)と俊介(横浜流星)の渾身の演技である。

九鬼周造曰く、「運命によって「諦め」を得た「媚態」が「意気地」の自由に生きるのが「いき」である」。(P107)九鬼の言う「媚態」と「意気地」、そして「諦め」が映画の中で現れる場面があって、充分に納得した。とても面白く楽しめた映画だった。

『西洋の敗北』エマニュエル・トッド、文藝春秋

西洋(アメリカ)に繁栄をもたらしたプロテスタンティズムはもはや破綻し、アメリカは国家ゼロのニヒリズム状態にある。ウクライナ侵攻も、ロシアよりもアメリカのせいで、その背景には西洋の敗北がある…というのがエマニュエル・トッドの意見。

個人的には、その意見には反対だが、その分析には見るべきものがある。

(個人的には、ロシアの一歩進んだ暴力性“道徳〈宗教〉ゼロ状態”のほうがより問題と感じる)

〇石河久美子(一文)

『チア男子』朝井リョウ、集英社文庫

早稲田大学の男子チアリーディング部ショッカーズに着想を得た青春スポーツ小説。実際にショッカーズのパフォーマンスを観る機会があり、迫力のあるアクロバティックな演技と、さく裂する笑顔と若さに感銘を受け、この本も読んでみることにした。それぞれ家族との関係に悩んでいたり、コンプレックスや葛藤を抱えた部員たちがチアを通して、自分たちの課題に取り組み成長していく姿がいきいきと描かれる。チアリーディングのルールや、技のイラスト付き解説もあり、実際のパフォーマンスを観てから読むとさらにチアリーディングへの興味が湧く。

映画『ローマ法王になる日まで』ダニエル・ルケッテイー監督(イタリア)

ロックスター教皇とまで言われ絶大な人気を誇ったフランシスコ教皇の伝記映画。アルゼンチンの軍事独裁政権下の神父や活動家へのすさまじい迫害が主に描かれる。軍に対して草の根的活動を行う神父たちを擁護する立場にあったフランシスコであるが、結果的に多くの仲間が殺害され自分だけが生き残ったことに苦悩する日々が続く。後年の教皇としての穏やかな佇まいの背景に想像を絶するアルゼンチンの軍事政権時代の経験があり、そのことが教皇としての平和への精力的な活動の原動力であったことがよく伝わってくる。

映画『アルゼンチン1985-歴史を変えた裁判』サンテイアゴ・ミトレ監督(アルゼンチン)

ゴールデングローブ賞、外国語映画賞受賞作品。民事政権移行後のアルゼンチンで、軍事政権の首謀者を裁判にかける事実に基づいたリーガルサスペンス。この裁判に挑む検事が若者とチームを組み、アルゼンチン全土の拷問の生存者と行方不明者の家族の証言を地道に集めていく。裁判で首謀者の責任を追及し、終身刑に追い込もうとする検事の論告は見ごたえがある。重い内容の映画であるが、家族とのやりとりなどユーモラスな部分もある佳作。アマゾンプライムで視聴可能。

〇首藤典子(一文)

村上海賊の娘』(上下)和田竜、新潮社 

7~8年程前に読み、いまなお店頭に並ぶ話題作、この度旅行でしまなみ海道を渡ろうと思い、いま一度読んでみようと思った。

 急流の瀨に囲まれている海城を構えた能島村上の長の娘、景。男武将以上の働き、剣捌き、海に潜り仕掛けられた網を切り離したり、次から次へと機転を効かしたりして動き回る姿は手下達の憧れであり、また戦意を高める存在であった。ただ、なりふり構わない為、嫁ぎ先が決まらないのがたまにきず。

ある時、急流で動きがとれなくなった一向宗の信徒が乗り合わせた船を海賊働きで乗っ取った景は、信徒が載せていた兵糧を運ぶという名目で大阪本願寺に続く川の砦に兵糧と信徒を送り届ける。そして、辺りを縄張りとする真鍋海賊と遭遇し、「べっぴんさん」などと言われたことがない褒め言葉に気をよくし、真鍋の城に立ち寄る。これを機に大阪本願寺、信長が西に勢力を拡大することを押さえたい為本願寺に兵糧を届ける毛利方と、海の戦支度が整っていない織田信長に加勢する大阪泉州侍との戦に関わる。どの国と国が戦になるかを知り、無益な争いに関わらないようにする判断をいつ下すか、国の存亡は長の手の中にある。今日の味方は明日の敵、一瞬の判断で戦の行方が入れ替わる。最終刊ではそんな戦闘の真っ只中に読者を誘いもはやそのシーンの中で私も息を飲んでいた。戦に明け暮れていた戦闘時代、瀬戸内海で一睡を風靡していた村上一族も徳川の世になると呆気なく滅ぼされてしまったということである。

〇山口伸一(理工)

『ナイルパーチの女子会』柚月麻子、文春文庫

 一流商社勤務の美貌の栄利子は、人間関係が苦手でデジタルな距離を好む。憧れのブロガーと親しくなろうと試みるも失敗し、職場の派遣社員からは思いもよらぬ脅迫を受けて追い詰められていく。高校生が選ぶ賞の受賞作とは思えぬほど、題名に似合わぬおどろおどろしい物語であった。

〇露木肇子(法)

『神の棘 Ⅰ Ⅱ』須賀しのぶ 新潮文庫

1936年から1950年までのドイツを舞台に、修道士マティアスと、ナチス親衛隊のアルベルトの人生を軸として、史実を基に狂気の時代を克明に描いた小説。ナチスの宗教弾圧・障害者差別・ユダヤ人迫害、連合軍の捕虜虐待、宗教の腐敗等ありとあらゆる悪が詰まっている。正義は常に逆転し、信頼は裏切られる。残酷なシーンが多く読み続けるのがつらいほどだが、最後にすべての謎が解き明かされ、大きな感動が待っている。

 2010年の単行本を全面改訂した2015年の文庫本がおすすめ。

『革命前夜』須賀しのぶ 文春文庫

1989年、ピアノを学ぶ眞山柊史は音楽の都ドレスデンに留学し、ハンガリー、北朝鮮、ベトナム等からの留学生と共にピアニストを目指す。時はベルリンの壁崩壊直前、学生達は息のつまる監視社会の中、シュタージに脅えながら、自由と音楽を求めて活動していく。友情、恋愛、裏切り等に遭いながら、眞山は自分の音を追求する。音楽の高まりと共に自由を求める声も高まっていく。そしてついに壁は崩壊し、歓喜があふれる。読んでいる間音楽が聞こえてくるような美しい小説。冷戦下の芸術という点で映画「善き人のためのソナタ」を彷彿とさせる。

〇仁多玲子(商)

『十二の真珠』やなせたかし、復刊ドットコム

今回の読書会で紹介する本は、今、NHKの朝ドラで話題になっている「あんぱん」というドラマの主人公のモデルになった「やなせたかし」が書いた『十二の真珠』という本。本というよりは絵本。本の印刷でも、「ふしぎな絵本」と書かれている。これは、やなせたかしの初期の作品集。また、元祖「アンパンマン」を収録した本でもあると、宣伝している。
さて、どういう本かと言えば、短い短編が12個集められている。
一番初めの短編、「バラの花とジョー」。これは、美しいバラの花と、雑種犬のジョーの愛の物語。最後は、ジョーがバラをカラスから守るために盲目になり、その後死んでしまうのだが、それに合わせてバラの花も、大気汚染で、枯れてしまう。涙を誘うお話だ。そういう短編が12集入っている。私は、こういう本が好きだ。
 これからも、皆さんと一味違う本を紹介していきたいと思う。

〇前田由紀(一文)

『へいわとせんそう』たにかわしゅんたろう・著、Noritake・絵、ブロンズ新社

戦後80年の夏に戦争に関する本を数冊読んでみた。最初に紹介するのは。谷川俊太郎の絵本。シンプルに平和と戦争の対照的な場面が続くが、最後には、敵と味方で変わらない場面が3場面連続して出てくる。この「変わらない」ことで、平和を切望する筆者の深い思いがひしひしと伝わってきた。

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子、新潮社(新潮文庫)

では、日本はなぜ戦争を始めてしまったのか。日清戦争から振り返る。筆者は、中高生を対象に講義形式の序論で戦争の定義をジャン=ジャック・ルソーの言葉を引用して「敵対する国家の、憲法に対する攻撃」と語る。それから日清戦争から太平洋戦争へと時系列に多岐にわたる資料をもとに辿っていく。講義では、その都度筆者が問いを投げ掛けて、それに答える生徒たちの発言も興味深い。日清戦争から線として太平洋戦争につながっていき、いろいろな要因が重なって戦争へと突き進んでいく過程がわかり、どこかで立ち止まれる局面があったのではないかと思わされた。

『昭和16年夏の敗戦 新版』猪瀬直樹、中央公論新社(中公文庫)

5年前に出版社の企画で勤務校の中高生と一緒に読んだ本である。偶然にも今年NHKでドラマ化され、当時のことを思い出した。まず、開戦直前の総力戦研究所の史実であり臨場感あふれる描写に引き込まれた。日本史の教科書や資料集と突き合わせて、読み進めた生徒もいた。悪役とされた東条首相の葛藤にも注目が集まった。数字や空気の怖さ、コロナの現状と重ね合わせ、危機的状況での冷静かつ客観的な思考、判断、行動の大切さを痛感させられた。5年前の夏、生徒たちと一緒に戦争開戦の内実を知ることができ感慨深い本となった。

〇宮田晶子(政経)

『考える練習』保坂和志、大和書房

作家の保坂和志氏が大和書房の担当編集者の質問に答えながら、「考える」ということは何か、について語っていく。

「思考法」の本はたくさん出回っていて、多くはビジネスマン向けのものが多いのだけれど、これはまったく趣が異なる。私たちは考えることによって、物事を理解し、何らかの解答や解決策を見つけようとする。しかし、保坂さんは、わからないものはわからないままでもっておく、理解しようとしない、そういう姿勢が考え続けるという行為であると言う。編集者のやり取りは、政治、経済、小説など、さまざまなテーマに及ぶが、保坂さんのそれぞれの答えがこれを実践している。

コスパやタイパ、あらゆることに効率を求めがちな風潮で、私自身もそれに染まってしまっているが、考えるということの本質を考えさせられた。かなり急いで読んでしまったのだが、考え続けながらもう一度読んでみたい。

福島からいつも参加されている斎藤さんからいただいた、読書会への感想です。

〇斎藤悟(社学)

いつも参加させて頂き有難うございます。

毎日介護の事で精一杯で読書の時間ないなか、レベルが高く内容が深い話を聴かせて頂き、話にも参加させて頂き感謝して居ります。発表の後パネルディスカッションのような流れになるのはさらにいいですが、気になる話も聴き逃す事もあり、その後の纏めも有難いです。

とにかく企画がいいです。読んだ本の内容を説明する→自然にパネルディスカッション→後評→発表内容を纏めて公表。

そして発表なしでも参加させて頂ける。

読書の時間が無い私には勉強になり、参加者と会い話も出来る。

皆様悩みもおありでしょうが、読書をしたり旅行に行ったり、羨ましく眺めています

*次回は、前田由紀さん(一文)の司会で、11月28日(金)秋の54ら読書会を予定しています。

2025/06/23ボウリングの集い報告

 6月23日(月)14時よりビッグボックス8Fの高田馬場
グランドボウルにて第16回ボウリングの集いが男子3名、
女子3名の計6名で個人戦とペア戦が開催されました。


 優勝は華麗なフォームでスペアをマークしていった秋田
さんがゲットしました。ガーター、ミスの最悪スタートだった
前田さんが二ゲーム目に入ると右に左に曲げながらも
ミラクルカバーでストライク・スぺアを連発し、2位に食い込み
ました。出だしダブルとスタートダッシュを決めた高橋さん
でしたが後が続かずブービーに沈みました。表彰式を
終えた後、石庫門でビールと餃子で楽しく歓談しました。
優勝者のコメントでは人の数ほど愉快なドラマが生まれます
との事で皆様のご参加をお待ちしております。
 次回は9月を予定しております。

参加者:秋田、本多、前田、高橋、藤原、岡野 6名

                      担当:岡野勝
  

2025/05/23春の読書会報告

第21回春のオンライン54ら読書会                 2025.5.23

【参加者】

篠原泰司(一文)、石河久美子(一文)、沖宏志(理工)、首藤典子(一文)、山口伸一(理工)、露木肇子(法)、鈴木伸治(商)、宮田晶子(政経)、斎藤悟(社学)、前田由紀(一文)

(以上10名、敬称略)

 今回は、土の壮大な歴史から始まり、偶然にも参加者3名が最新の直木賞作家の伊予原新さんの作品が重なり、科学的な知識がちりばめられた文学作品の魅力が共有できた。広島の沖さんからは、広島の公共図書館による読書会リストの案内があり、読書会の文化が根付いていることを知りえた。教皇選挙の映画もタイムリーな上映で皆の関心を集める。他に、英国の著名な作家の作品、英国でベストセラーとなっている柚月さんの作品、注目を集めるフジテレビ関連作品、早大出身の綿矢さんの新作が紹介された。最後は、紹介作品に出てきた花巻の獅子踊りをきっかけに、福島の斎藤さんからの東北の旅の話題に広がった。

なお、これまでの 読書会報告集Book List、もご覧いただけます。

(発表順、文体は常体に統一)

〇篠原泰司(一文)

『土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る』藤井一至 、ブルーバックス2278、講談社

「土」の生成と増加、蓄積と消滅に関する本。「土」の歴史は微小な生物と鉱物などを含めた物質の広大な循環と代謝の歴史でもある。それは、テクノロジー(科学技術)の一切及ぶことのない世界である。植物のからんだ農業の分野とかなり関わりがあり、フィル―ドワークを主体にした研究でもあるので、まるで文化人類学の本を読んでいるような感覚を絶えず持ちながら読んだ。結論部分にはディストピア的な悲観論は一切ないが、個人的な感想としては人類の未来は明るくないという感想は思い描かざるをえなかった。テクノロジーを超える未来の思想のためにも読むべき一冊だと思う。

『新・古代史 グローバルヒストリーで迫る邪馬台国、ヤマト王権』

NHKスペシャル取材班、NHK出版新書735

3世紀~5世紀の日本の古代史を今現在の歴史研究の現場に即して探究した本。具体的には纏向遺跡と箸墓古墳、吉野ケ里遺跡などの遺跡の発見と調査の歴史、それに東アジアの古代史の文献の精密な読解が試みられている。NHKのドキュメンタリーの制作陣によって書かれているので内容の深さに比較してかなり分かり易く、信頼性抜群の読み物になっている。卑弥呼や大和朝廷などの日本古代史に興味のある人はぜひ手元に置いておくべき一冊だと思った。

〇石河久美子(一文)

『藍を継ぐ海』伊予原新、新潮社

今期の直木賞受賞作。五つの短編小説からなり、著者の地球惑星科学の研究者としての知識と経歴を生かした作品も多い。長崎の原爆投下直後、原子爆弾の正体を探ろうと被爆した岩石やがれきを集め科学的に検証しようとした地質学者の話が印象に残った。ミステリー仕立てでもあり、様々な情報を集め、それを組み立て考察して結論に導くといった展開がいかにも研究者らしい。全編を通じて普段馴染みのない科学の知識がストーリーに組み込まれており、科学を身近に感じることができる。

映画「教皇選挙」エドワード・ベルガー監督(米英合作2024年)

本年度アカデミー賞、脚色賞受賞作品。カトリック教会の頂点に立つローマ教皇を選ぶコンクラーベをめぐるストーリー。様々な謀略が展開し、投票の過程で有力候補者が刻々と様変わりしていく知的ミステリーエンタテイメント。映像も美しい。上映期間中に実在のローマ教皇が死去、コンクラーベが実施され、フィクションを現実が追う形になり話題となった。新しい教皇はどのような過程を経て選出されたのか、現実と映画をリンクさせて想像するとさらに面白さが増す。

〇沖宏志(理工)

『道元の哲学』小坂国継、ミネルヴァ書房
墓じまいをきっかけに、昔よく読んでいた正法眼蔵解説本を久々に読んでみた。3年前にここで発表した、シェリー・ケイガン本『死とは何か』は死というものを、哲学的に、「私」「同一性」「時間(今)」「神」「意識(言語)」といったものと論理的にからめながら、解き明かしていったが、この本も宗教の書である『正法眼蔵』を哲学的に解き明かしていて、実におもしろい。

*ところで、みなさんの地元で、読書会用の本を提供しているところはあるでしょうか?
また、ある場合、どの程度の本を用意しているのでしょうか?情報があったらください。
広島市の場合は下記の程度の本を用意しています。

https://www.library.city.hiroshima.jp/information/guide/images/index_dokushokai.pdf

参考に広島市の読書会用の本(先のURL)を、うちの読書会(みささ読書会)でどのように読んできたかのデータを下記に示します。(エクセルファイルがダウンロードされます)

https://www.com-net2.city.hiroshima.jp/mitaki/file/48

日付は、その本をいつ、みささ読書会で取り上げたか。Noは読書ノートへのポインタです。今年はみささ読書会の幹事が回ってきたので、過去のデータをちょっとDX化してみました。みささ読書会自体は1973年に設立されたらしいですが、図書館の読書会用の本というシステムが機能し始めたのは1980年代初頭あたりからだと思います。ちなみに、全国図書貸出No1の高知市 オーテピア高知図書館では、下記のような読書会用図書館本(614冊)を用意しているようです。

https://otepia.kochi.jp/library/holding04.html

*ちなみに広島市の読書会用図書館本は274冊。

〇首藤典子(一文)

青ノ果テ ―花巻農芸高校地学部の夏―』伊与原新、新潮社 
 主人公は地元で生まれ育ち、小さい頃から鹿踊りという東北地方で広く行われている舞踊に打ち込んでいて、その鹿踊りを続ける為に高校に進む。彼の近所に住み同じ高校に進んだ美術部の同級生の女子、2年で東京から転校してきた男子と、この3人が地学部に入部することになり話が展開していく。3人は親同士が子供達には明かされていなかった理由で実は繋がっていて、高校の地学部入部で運命とでもいうべき出会いをしたという物語。

この地学部創部の発案者であるひとつ年長の地質学に詳しいリーダーによって、自転車や電車を乗り継ぎ宮沢賢治の地学的世界を巡る旅(夏休みの合同研究)に出ることがこの作品の主軸をなしている。旅の目的は鉱物調査をしたい人、宮沢賢治の童話に出てくる地名は地理的にどの辺りを指すのか、その地点に立ってみたい人、幼い頃からの女友達と転校生の間にある秘密を聞き出したい為についていく人とそれぞれだが、2週間にも渡る旅の最後に台風に遭遇し山で遭難するのではないかという困難な状況の中で、本音を打ち明けることが出来、絆が生まれる。そして、美術部にも所属し、旅には同行しなかった幼なじみの女生徒が、キャンバスに夜になりかけの空の深い青を描こうとしていて、その色を「青の果て」と言ったことがタイトルになっている。

宮沢賢治の詩に「薤露青」という言葉があるが、闇に閉ざされる寸前にだけ見られる空の青を意味するものらしい。その「はかなさ」を表現したかったということであろうか。伊予原氏は「青」「藍」とこの色にまつわるタイトルが付いた作品があるが、その関連性が意図するところが何かは興味深いものがある。

〇山口伸一(理工)

『BUTTER』柚月麻子、新潮社

 保険金殺人容疑の梶井真奈子を取材する記者・町田は、彼女の言葉に影響され、欲望と自由の意味を問い直していく。梶井の「ストッパーを外さなければ幸福は得られない」という思想は現代人への挑発でもある。周囲との関係を壊しながらも町田は自分なりの答えを見出し、老後の孤独も自然と受け入れる平穏を取り戻す。ラストは意外にも清々しく、読後感が心地よい。

〇露木肇子(法)

『老いぼれを燃やせ』マーガレット・アトウッド作 鴻巣友季子訳、早川書房

著者は1939年オタワ生まれ、1985年46才の時に出した予言的ディストピア小説『侍女の物語』が世界的なベストセラーになり一躍有名になった。著者は2019年80歳になって『侍女の物語』の続篇『誓願』を出し、女性の生殖を管理した差別社会の崩壊を描いた。

 本書は著者が70代に発表した9つの短篇集で、その多くは、高齢者が長年の恨み・怒りを、人生の最後になって解決していく物語だ。書名となった作品は、姥捨てを極端にしたもので、暴徒が次々と老人ホームに放火する話だ。老化にめげない老人達のパワーに圧倒される作品集となっている。

〇鈴木伸治(商)

『獨白2011年3月「北の国から」ノーツ』倉本聰、

フラノ・クリエイティブ・シンジケート(2011年10月)

伝説的ドラマ「北の国から」のシナリオ作家倉本聰が、その30周年を記念して最初のシリーズ24話について、富良野塾OBライターへの特別講義として2011年2月末から4月頭にかけて語ったものである。途中で東日本大震災が起こったことで、天災や原発事故とも照らし合わせられている。自身のNHKとの衝突から大河ドラマ(勝海舟)を途中降板して札幌へ逃避行するなどの個人的背景や経験や、その時代の社会的背景から物語の創作について語られている。映像だけでなく、脚本を読みたくなる。

『「北の国から」異聞 黒板五郎 独占インタビュー!』倉本聰、講談社(2018年6月)

同じく倉本聰が語った「北の国から」のサイドストーリー。耄碌しかけた黒板五郎が過去をふり返って真摯に語る「北の国から」の撮影秘話で、殆どが真面目なノンフィクションとのことである。

『定本 北の国から SINCE1981』倉本聰、理論社(2002年8月)

「北の国から」の1981年放送開始から2002年最終回までの全原作シナリオが収録されている。

『メディアの支配者(上・下)』中川一徳、講談社(2005年6月)

フジサンケイグループに突然襲いかかった堀江貴文と、必死に防衛する日枝久。しかし、その日枝自身、かつてクーデターによって鹿内宏明を追放した首謀者であった。昨今のフジテレビをみると「歴史は繰り返す」を実感します。

〇宮田晶子(政経)

『パッキパキ北京』綿矢りさ、集英社

駐在する夫と暮らすため、コロナ禍が抜けきらない北京に赴いた元銀座ホステスの菖蒲さんが北京を味わい尽くす。著者の北京滞在経験がベースにあり、現在の中国(北京)のガイドとしても面白いが、痛快なエンタテインメントならしめているのは主人公菖蒲の強靭なメンタルとバイタリティ。最後に彼女は阿Q正伝の「精神勝利法」に行きつくが、そのとらえ方が面白く、この主人公に精神勝利法をもってきた綿矢りさの作家としてのセンスを感じた。

『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~シナリオ第1集 Kindle版』森下佳子、NHK出版

大河ドラマのシナリオ集。第1回から、大変話題を呼んだ平賀源内の死が描かれた16回までが収められている。大河ドラマに付き物の戦闘シーンはないけれど、本屋同士のビジネスをめぐる戦い、幕府・大奥の権力争い、そして吉原の影の部分にも切り込んでいる今回の大河はとても面白いと思う(ただのイケメンと思っていた横浜流星の演技力にもびっくり)。映像もいいけれど、このシナリオでじっくりセリフを味わいたい。

〇斎藤悟(社学)

 参加させて頂き有難う御座居ました。母の部屋でしたので黙っている積りでしたが、発言を求められ口を開いてしまいました。東北が話題になっていましたので楽しかったです。

獅子踊りは北上から釜石にバイクで行く途中に、遠野の道の駅で偶々見ました。吉里吉里の海は国道45号から綺麗に見えます。吉里吉里駅も吉里吉里小学校もあります。ひょっこりひょうたん島のモデルの島もあります。何れも大槌町。井上ひさしさんの物語の世界、メルヘンです。

過日の故郷の話に続き東北の話か出て驚き楽しい話が出来て感謝して居ります。この会は特別に感じて居りましたが、矢張りです。東北人は、暗くて取っつき難いと東京等で言われますが、傷付き乍ら頑張って居ります。首都圏に長く住んでいた私は、Uターンして来て 故郷の人にそう言い、傷付け落ち込む事しばしばです。暗いのではないのですが、首都圏に慣れるとそう見えるのです。

過日、故郷は遠きにありて思うものとの解釈が変わったと話しました。賢治さんの畑は花巻にあります。井上ひさしさんの吉里吉里共和国、吉里吉里の海も吉里吉里駅も吉里吉里小学校も実在します。吉里吉里の海は45号線から綺麗に見え、三陸イチの美しさではないかと思われます。『青葉繁れる』は何十年も前に読んだ本で内容を詳細に覚えてはいませんが、井上ひさしさんの仙台一高時代の私小説、恋のお相手は宮城第二女子高の生徒、当時の学生生活等が描かれ、兎に角面白かったです。

子供の頃面白くて本気で見ていた TVドラマ「ひょっこりひょうたん島」もひさしさんの原作。その島のモデルになった島が実在すると知ったのは震災後だったと思います。大槌町役場を背にすると近くに見える江ノ島を彷彿させる島です。震災は悲惨でしたが、メルヘンの世界です。是非皆さんでいらして下さい。

仙台育英高校が甲子園で優勝した時、仙台に帰る時に TVで中継された場面は、白河の関を通過する時の新幹線の中、選手達が「白河の関だ」と言っていました。白河の関は仙台育英がある宮城県ではなく手前の福島県です。何故其処で中継なのでしょうか?甲子園大会では何県かや学校は関係なく、優勝旗が白河の関を越える事が東北の長年の悲願だったからです。白河の関は東北の玄関。甲子園大会では東北が一つになるのです。長い間、東北は弱かったからです。私もあの中継の場面で感動し、涙しました。東北人は暗いのではなく 純朴なのです。人を疑う事を知らず、黙っていると他人から嫌われる事も知らないのです。 狭い村社会で限られた人との関係を続け、人に慣れておらずシャイでもあります。話してみるとイメージと異なり、あまりにも純粋で優しく驚き自己嫌悪に陥る事しばしばです。Uターンして来て25年目なのに、未だ馴染めずにいます。

〇前田由紀(一文)

『藍を継ぐ海』伊予原新、新潮社

石河さんが紹介した本と同作品。5つの短編集。表題作は、徳島の孤独な中学生、沙月とウミガメの関係が描かれる。ウミガメは、一回に100個ほど産卵するが、ほとんどが捕食され、わずかに残った子ガメが、黒潮に乗って外洋に出る。そして30年かけてもどってくるという、なんとも壮大な旅である。その他のお話は、山口の萩焼、奈良の山奥のニホンオオカミ、長崎の浦上天主堂、北海道紋別の隕石の話であり、日本各地を科学的に振り返ることができ、贅沢な読書となるだろう。

『その本はまだルリユールされていない』坂本葵、平凡社

司法書士合格を長年目指していた主人公が、断念して学校司書となる。引っ越したアパートの大家が製本家であったことから、その繊細で奥深いルリユール(手仕事の製本)工房の世界に魅せられていく。白紙の原稿を製本依頼する謎の青年、手渡したバッジをした人しか会わない大家の孫娘、本の結婚式を開催する古本カフェの店長など不思議な世界が展開するが、彼女は周りの人々と温かい繋がりを深めてゆく。ルリユールの世界が実に美しい。

                                        映画「ドマーニ! 愛のことづて」パオラ・コルテッレージ監督(イタリア)

戦後間もないローマで、暴力を振るう夫、寝たきりの義父に仕え、仕事の掛け持ちで貧しい家計を支える主婦が、主人公。抑圧に堪え、家庭を切り盛りする女性を演じる監督兼主役のパオラ・コルテッレージの演技が素晴らしい。娘は母親を不甲斐ないと思い、金持ちの恋人を選ぼうとするが、彼女は、娘を救うため予想外の行動に出る。女性参政権により女性が解放される様が描かれるが、現代でも通ずる課題はあると言える。

*次回は、宮田晶子さん(政経)の司会で、8月22日(金)夏の54ら読書会を予定しています。

2025/06/08第4回ビール会報告

第4回ビール会(街歩き付)の報告

2025年6月8日(日)、旧万世橋駅跡にある「常陸野ブルーイング・ラボ」にて、第4回目となる「ビール会(街歩き付)」を開催いたしました。

今回の街歩きは、神田明神 → 湯島聖堂 → ニコライ堂 → 神田須田町界隈のレトロな街並みを散策し、最後に旧万世橋駅跡(マーチエキュート)および万世橋を巡るという、神田に残る歴史をたどるコースでした。
戦災を免れた須田町周辺では昭和初期に建てられた歴史的建造物が今もなお現役で使用されており、まるで当時にタイムスリップしたかのような風情を味わうことができました。旧万世橋駅跡ではかつてのプラットホーム跡を電車がすり抜けていくのが見られ、鉄道ファンにはたまらないスポットです。
街並みや駅の跡地など東京にもまだこんな素敵な場所が残っているのだと改めて感じさせられるひとときでした。
街歩きの後、いよいよお楽しみのビール会です。
会場は、旧万世橋駅跡マーチエキュート内の「常陸野ブルーイング・ラボ」。
茨城県の木内酒造が手掛ける「常陸野ネストビール」を味わいました。日本酒の酒蔵としても知られる木内酒造が作るビールは、ペールエール、バイツェン、IPA、フルーツビールとヘイジーなど多彩なラインナップです。各自お気に入りのビールで乾杯し、街歩きの感想やビール談義に花を咲かせ、大いに盛り上がりました。

さて、次回は暑さを避けて10月5日(日)を予定しております。次も、また新たな東京の魅力を発見する街歩
きになることでしょう。
どうぞお楽しみに!

文責 益田 聡(理工)

参加者(50音順、敬称略)
遠藤、奥田、向坂、今野、篠原、種村、永田、益田聡、益田あけみ

2025/04/13早慶レガッタ応援会報告

2025年4月13日(日)隅田川で第94回早慶レガッタが開催されました。

54ら会では、例年どおり、54ラン会の隅田川テラスランとレガッタ観戦を予定していましたが、生憎雨の予報は前日になっても覆らず。仕方なしに、対抗エイトの応援だけとなりました。

14:00過ぎから、雨にもかかわらず、17人の54ら会応援団が、桜橋近くの墨田区側に三々五々集合しました。すでにオンラインでレースを観戦し、女子の35連勝と、この数年負けが続いていた第二エイトの勝利を見ていたので、俄然応援に力が入りました。

15:00スタートのやり直しがありましたが、スタート直後から早稲田艇がぐんぐん飛び出し、言問橋に見えてきたのは早稲田のみ。余程のアクシデントがない限り勝利を確信し、見事5艇身差で優勝しました。

なんと久々の完全優勝!!おめでとうございます。

祝勝会は吾妻橋「金の炎」のビルにあるフラムドールで。美味しいアサヒビールで祝杯をあげました。(櫻井直子記)

参加者

岡野勝 系野力 向坂真弓 櫻井直子 首藤典子 
住吉環 田角成人 種村隆久 戸叶哲 中村敏昭 
長坂裕 番平均 日比野悦久 平野伸一 福島碧 
福田光洋 益田聡   

2025/02/28第20回読書会報告

第20回冬のオンライン54ら読書会 2025.2.28

【参加者】

篠原泰司(一文)、鈴木伸治(商)、石河久美子(一文)、
露木肇子(法)、首藤紀子(一文)、山口伸一(理工)、
仁多玲子(商)、前田由紀(一文)、斎藤悟(社学)、
宮田晶子(政経)(以上10名、敬称略、順不同)

立春を過ぎて強力な寒波が襲来した2月でしたが、読書会当日は春を思わせる暖かな日でした。そんな夜に視聴のみの方を含め、10人の方に参加いただき、今回もさまざまなジャンルの本を持ち寄って本への思いを語りあいました。

以下、皆様から寄せられた紹介文ですが、文体などは統一いたしました。

なお、これまでの 読書会報告集Book List、もご覧いただけます。

〇篠原泰司(一文)

『昭和問答』 田中優子・松岡正剛、岩波新書

この「昭和問答」のあとがきが松岡正剛の絶筆になった。

あとがき1を田中優子が書いたあと、松岡正剛はあとがき2を書いた。そしてその原稿を脱稿したあとまもなく松岡は急逝したということだ。

昭和についてはいろいろと読んできた。それでもこの二人の挙げてくる視点や論点にはいままでにないものを感じた。とても面白く読んだ。

新書の帯に書かれた田中優子の松岡正剛に対する弔辞の言葉が印象的だ。「この本の刻まれた一つひとつの言葉の中に、私は次に行く光のかけらを、探し続けている。」

『青い壺』有吉佐和子、文春文庫

「昭和問答」の中で田中優子が有吉佐和子をとても高く評価しているように感じたので読むことにした。まずは「青い壺」。

折しもNHKの「100分で名著」で取り上げられたのがきっかけでベストセラーになってしまった。青い青磁の壺が幾人もの人物の所有を経ていく話なのだが、それぞれの人物にまつわる話がまさに昭和的な習俗や精神などの匂いを強く発散させていて、昭和を感じるならこの本しかないという感じの本だ。

『一の糸』 有吉佐和子、河出文庫

「昭和問答」の中で田中優子が一押しに推薦している有吉佐和子の小説。一人の文楽の天才的な三味線引きを支える女性の一代記である。古典芸能に対する深い造詣はさすがであるし、文体の堅牢さと構成力はさすがとしか言えない。それにストーリーのバランスをとった展開の仕方には読者に安心感を与えてくれる。これが有吉佐和子がいまだに支持される理由の一つなのかも知れないと思った。

〇鈴木伸治(商)

『半導体戦争−世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』クリス・ミラー ・千葉敏生(訳)、ダイヤモンド社

現在のデジタル世界を生み出してきた半導体産業のことが知りたくて良い本を探していたところ見つけたのがこの本。

本書は、アメリカ、ソ連、日本、東アジア(台湾・韓国)、中国などの歴史的文書の調査や、百人を超える科学者、技術者、CEO、政府官僚へのインタビューに基づき、軍事力のバランス、世界経済の構造、そして国際政治の形を決定づけ、私たちの暮らすデジタル世界を特徴づけてきたのが半導体であることを明らかにしている。

半導体の発展は、私が当初想定していた大企業や消費者(産業として)だけでなく、野心的な政府や戦争の要請によっても、というよりもより現代では後者の方によって形づくられてきていることが分かる。

その一例が、アメリカとの安全保障関係を強化するための戦略の一環として1960年代から意図的に半導体サプライ・チェーンの中に身を置き、世界で唯一シリコン上に118億個の微細なトランジスタを刻み込んだiPhone12のA14プロセッサ・チップを製造することのできる台湾積体電路製造(TSMC)を育てた台湾である。

〇石河久美子(一文)

『宙わたる教室』伊予原新、文芸春秋

定時制高校の科学部が、学会の高校生部門で入賞を続けJAXAの「はやぶさ」の開発にも貢献した実話に着想を得たフィクション。昨年秋NHKドラマ化され好評を博した。著者は、地球惑星科学の研究者から小説家に転じた経歴の持ち主。科学の知識を小説に取り入れた作風で今期の直木賞も受賞。

それぞれままならぬ人生を送り定時制にやってきた10代から70代までの生徒たちが、元研究者の教員と出会い、火星の重力下でクレーターを再現するという未知の研究に挑む。その過程で、自分たちの潜在能力に気づき、可能性を広げ自信を取り戻していく様子が生き生きと描かれる。研究の楽しさが伝わってくる清々しい小説。

〇露木肇子(法)

『ハイジ神話』ジャン=ミシェル・ヴィスメール、晃洋書房

最近BSでドキュメンタリー「スイスの象徴となった少女」を観て、「ハイジ」の変わらぬ人気と、作者シュピリ(1827~1907)がうつ病だったことを知り、「赤毛のアン」の作者モンゴメリと同じく、内なる情熱と社会的立場のギャップに苦しんでいたのではないかと考えた。その後見つけた本著によると、シュピリの父は病院経営者、母は宗教詩人、夫は政治家で忙しく、シュピリは幼少時より孤独で、創作に救いを求めたようだ。

 本著読了後「ハイジ」のほぼ完訳版(結構長い)を読んでみたところ、自然描写や詩の美しさ、ハイジのキャラクターや愉快なエピソードに魅せられた。

なるほど絵本にも映画にも、アニメにもなるわけだ。

 これらの魅力は「赤毛のアン」にもみられるもので、シュピリの約50年後に生まれたモンゴメリも、「ハイジ」を読んでいたことが窺える。

 ジェンダーに苦しむかつての女性作家達が生み出した物語は、世紀を越えて女性をジェンダーから解き放つ。

〇首藤典子(一文)

『花散る里の病棟』帚木蓬生、新潮文庫

四代続いた医者の家の物語。初代の野北保造は明治時代の終わり、九州帝国大学医科大学を卒業後公立病院副医院長につき、35歳で開業医となる。当時多かった回虫の治療で虫医者と呼ばれていたが、50歳の時胃潰瘍で死去。

その息子の野北宏一は、中学生の時に父が亡くなった為、苦学の末、九州医専に入学。短期現役軍医候補生に応募し、1943年にマニラの兵站病院で任務に就く。ジャングル内を逃げ惑いながら米軍の捕虜となる。手帳に克明に年月日と戦況を記載する。終戦直後、上官が高熱の為死去。遺品を手渡すように頼まれ、復員後、上官の妻の元を訪れる。尊敬していた上官のようになろうとその妻と翌年結婚する。戦地では栄養失調やマラリア等による病死が戦死者よりも多かったということに驚き、終戦直後、あと少しでの帰還を目前に果てた方達の無念を思うと心が痛む。

三代目は市立病院勤務の内科医だが、元従軍看護婦だった患者から終戦前後の朝鮮での話を診察の度に聞き、当時の様子に思いを巡らせていたが、終戦直後に厚生省引揚援護局直轄下で、引揚途中心ならずも妊娠させられた女性達の堕胎処置を隠密裡に行い郷里に帰したと聞き、その患者と共に水子の供養祭に行くことにする。

四代目は米国で腹腔鏡肥満減量手術を学んだ外科医だが、コロナパンデミックの中、習得したスキルを生かすことなく、逼迫した医療現場でコロナ感染患者の対応に明け暮れる様子が描かれ、ついこの間のことだが、改めて大変な時代だったと思い返してみる。

医師により描かれた作品に引き込まれるのは、命のやり取りの現場が実体験にしろ、聞いたことにしろ、切羽詰まった現場の様子が生々しく伝わってくるからであると思う。

医師を代々継がせ続ける家系の大変さを知る俳優の医家五代目の佐野史郎氏の説得力ある解説文も然り、著者の綿密な取材に感服する。

〇山口伸一(理工)

『檜垣澤家の炎上』永嶋恵美、新潮文庫

1964生まれの永嶋恵美氏の初長編。横濱で回船業を営む檜垣澤家の主人が亡くなり、幼くして引き取られた妾の子が、歳の離れた親族や姪、使用人などの人間関係の中で権力を手に入れる物語。大正の回船問屋の商売や関東大震災の悲惨な状況が詳しく描かれ、犯人の動機も謎解きも十分に納得できる2024年を代表する佳作。

〇仁多玲子(商)

『あしたはきっと大丈夫』高尾美保、コスミック出版

今回の読書会で、私は、産婦人科医である高尾美穂さんが書かれた「あしたはきっと大丈夫」という本を紹介した。高尾美穂さんは、NHKの朝イチによく出演されて、ヨガを披露したりする産婦人科医です。とんがり頭で、名前は知らなくても、見たことはある方は多いと思う。高尾先生が、女性、特に若いこれからの女性に、これからの生き方をアドバイスする本で、一つひとつ解説しているので、とても読みやすい。例えば、「なりたい自分をイメージしたら行動に移す」という項目で、自分はこうなると強く思い、そんな自分に近づいていくために具体的な行動や努力を積み重ねていくことで、理想を現実にしていくと語っている。若い女性だけでなく、今の年齢の私でも、あてはまるのではないかと思う。

〇前田由紀(一文)

『旅人 ある物理学者の回想』湯川秀樹、KADOKAWA

「ただ、私は学者として生きている限り、見知らぬ土地の遍歴者であり、荒野の開拓者でありたいという希望は、昔も今も持っている。」この自伝は、有名になるまでの20代で終わる。悩める若き研究者の心の軌跡が描かれ、内向的な性格や父親との確執等親近感がある。戦後まもなく彼がなぜ日本人初のノーベル賞受賞したのか、その謎に迫ることができる。

『河合隼雄 物語とたましい』河合隼雄、平凡社

河合隼雄は、日本におけるユング心理学を代表する学者である。物語に注目し、日本神話では対立する神が適当なバランスをもって共存している中空構造と位置づけ、西洋の中心統合型と対比させている。スイスでのユング分析家資格試験において、指導教官と筆者が対立するところが、特に興味深い。

「花嫁はどこへ?」監督キラン・ラオ、インド映画 

 二人の花嫁が満員電車で同じ赤いベールを被っていたことから取り間違えられ、離れ離れとなってしまう新婚夫婦のドタバタ喜劇。従順で健気な花嫁と自立を願うもう一人の花嫁が対照的に描かれる。インドの社会背景が良く理解でき、英米以外の映画をもっと観たいと思えた。

〇宮田晶子(政経)

『日本語が滅びるということ』 水村美苗、筑摩書房

 米国発のマネジメント誌の編集・出版という仕事に携わっている私からすると、カタカナという便利な文字があるがために、私たちの取り巻く言葉がどんどん英語に侵食されているように思われてならない。ここは日本語にしたい、と思っても、カタカナにしないと「界隈」の方には「わかってない」と言われてしまう。明治維新の開国で「西洋の衝撃」を浴び、豊かな近代文学を生み出した日本語だが、インターネットの登場とグローバル化の進展のなかで、その未来が危うくなっている。2008年に刊行された本だが、人工知能の急速な発達もあり、本書で提起された問題がますます差し迫っているように思われた。

*次回は、前田由紀さん(一文)の司会で、2025年5月23日(金)第21回冬の54ら読書会を予定しています。

2025/02/06ボウリングの集い報告

2月6日(火)14時よりビッグボックス八階にて第15回ボウリングの集いが高橋正明さんの初参加で7名により開催されました。

出だしは、鈴木さんのダブル、高橋さんの連続スペアとスタートダッシュしましたが、後が続きません。その隙をついてハンデに恵まれた岡野が余裕で、ゴールテープを切りました。準優勝は2ゲーム目にダブルを出し追い上げた秋田さんが獲得し、3位には2ゲーム目に自己最高スコアをマークした本多さんがゲットし、女性陣が奮闘いたしました。団体戦は白熱した戦いとなりましたが、僅差で、秋田、大和田ペアが栄冠を勝ち取りました。懇親会は石庫門にて餃子により健闘を讃えあいました。次回は6月を予定しておりますので、皆様の参加をお待ちしております。

高橋さんのコメント
初参加でしたが、ホント楽しい1日でした。練習した割には下手くそでした。次回はもう少しスペアを取りたいと思います。

参加者、秋田、大和田、鈴木、高橋、藤原、本多、岡野の七名