1/12 (日) 早稲田駅伝 IN日産スタジアムにて
総勢 出走者8名、応援者1名 で参加しました。
多少の日差しがありましたが、非常に寒い1日でした。(昨年に比べチョット暖かも)
8名で臙脂の襷をつなぎ無事完走出来ました。
結果は 2:06:21 稲門会の部 16/20でした。
各々 設定タイムをクリアー出来満足しました。
出走を今回限りにしたいとの声もありましたが、健康寿命を延ばす為にも継続する事を誓い合いました。
2024/12/08第二回ビール会報告
2024年12月8日(土)、
デビルクラフト五反田において、第2回目の「ビール会(街歩き付)」を開催しました。
第1回目は「赤穂義士をたどろう」をテーマに街歩きをしましたので、今回は12月14日の討ち入りの日も近いこともあり、赤穂義士が眠る泉岳寺を集合場所としました。
今回のテーマは、「赤穂義士の眠る泉岳寺と高輪界隈近代建築遺産」。
泉岳寺墓所では語り部さんに赤穂事件のこぼれ話を聞かせてもらいながら各々線香をあげました。
泉岳寺を後にして、向かったのは高輪消防署二本榎出張所。未だ現役の消防署です。消防署員が丁寧に説明をしてくれました。国産1号の消防車が動く状態で保存されています。
次に向かったのは明治学院白金キャンパスで
す。道すがら、街の雰囲気がいかにも高級住宅街だなと感じました。キャンパスの建物と色づいた木々のバランスが何とも素敵な空間でした。
散策を終え、いよいよ目的のビール会です。年齢を考慮し、地下鉄で五反田にあるお店を目指しました。
今回のお店、デビルクラフトは常に10タップ以上のビールが準備されており、各々好みのビールを楽しみました。色々な味と香りが堪能できます。
美味しいビールと美味しい食事、至福の時が流れていきます。
多くの54らが今まで出会うことができなかったクラフトビールの世界に迷い込んでいます。
さて次回は、伊勢から世界へクラフトビールを送り出している
「伊勢角屋麦酒八重洲店」です。お楽しみに!
文責 益田 聡(理工)
参加者(50音順、敬称略)
系野、向坂、小林、茂原、篠原、種村、福島、益田あけみ、益田聡
2024/11/03新宿区コーラスの集い参加報告
2024年11月3日 新宿区生涯学習フェスティバル
「音楽・コーラスの集い」が
四谷区民ホールにて開催されました。
TKB54シンガーズ有志で参加しました。
持ち時間7分のステージで
「あめふりくまのこ」「昴」
を披露しました。
ステージで歌うのは気持ちよく、皆楽しくリラックスして歌い、
「本番が一番良い出来栄えだったね!」
練習は月一回。第三火曜日に行なっています。
歌うことは、これからの健康維持にも役に立ちます。
合唱を楽しみましょう。興味のある方、いつでもご参加ください。
2024/11/19 54らIN大阪報告
第一回日本全国54らの旅、初回は大阪。
2024年11月19日(火)の夜、大阪淡路駅にある「亀岡街道」に、東京から 10名、大阪・兵庫・和歌山の関西圏から5名、愛媛県から1名の計16名が集まり、初めての54ら会地方開催が実現しました。
昼頃新大阪に集合した12名は、大阪幹事の池田さんの案内で、まず道頓堀のグリコ前、法善寺横町を歩き、法善寺の水掛不動に水をかけ、お好み焼きのランチを味わいました。それから、ヲタロードを経てジャンジャン横丁、通天閣に登りました。2万歩以上の観光を楽しんで、会場にはかなり遅刻して到着。19:00頃から、54ら会IN大阪を開催しました。美味しいてっちりのコースを味わいながら、自己紹介で打ち解け、飲んで喋って、校歌を唄い、楽しいひとときを過ごしました。
一旦解散になった後、駅までの途中にあった立ち飲みたこやき屋で、これぞ大阪というたこやきを味わい、最後はホテルのロビーでまた宴会は続きました。
翌日は自由行動でしたが、希望者で京都観光をし、最大9名で紅葉狩りを楽しみました。
来年8月30-31日は、愛媛県で第二回を予定しています。みなさま、新しい手帳に予定を書き込んでください。
参加者:池田正彦 井潤誠 岩佐隆雄 岡野勝 岸本忠生 系野力 小林章子 櫻井直子 種村隆久 戸叶哲 中村敏昭 日比野悦久 平田融作 平野伸一 福島みどり 藤本富通
大阪コーディネーター:池田正彦
担当:櫻井直子
2024/12/14 講演会&忘年会開催報告
12月14日(土)午後に、講演会&忘年会を染谷記念レセプションルームで開催しました。TKB54らシンガーズによる校歌斉唱のオープニングに始まり、鈴木順子 さん(東京芸術劇場副館長,第一文学部英文科専攻)の講演、忘年会を29名の54 らのメンバーで楽しみました。
鈴木さんの講演は「劇場は地域の広場、世界への窓」のテーマで、サントリーホー ルの開館を皮切りに様々な劇場の創設、東京フォーラムへの「ラ・フォル・ジュネ」の誘致他芸術祭を通じて劇場が果たす役割の多角化、地域とのつながりにおいて劇場が果たす新たな役割の創出、ホワイトハンドコーラスへの支援、普段、私たちが気づかない劇場の様々な顔、果たす役割・運営の裏側を落ち着いた語り口でお話頂きました。
忘年会は、平野会長の乾杯に始まり、TKB54らシンガーズによるクリスマスメドレー他ミニコンサート、新顔紹介、じゃんけん大会、54ら会の歌「早稲田スピリッツはここにあるから」を全員で歌い(TKB54ダンサーズ演舞付)、締めは校歌斉唱と2時間半の宴を通じ、参加された皆様が54らの絆を感じとる時を過ごしました。
2024/08/23夏の読書会報告
第18回夏のオンライン54ら読書会 2024.8.23
【参加者】
篠原泰司(一文)、加藤透(理工)、山口伸一(理工)、福島碧(社学)、沖宏志(理工)、石河久美子(一文)、首藤典子(一文)、仁多玲子(商)、日比野悦久(理工)斎藤悟(社学)、宮田晶子(政経)
(以上11名、敬称略)
猛暑続きだった2024年の夏。当日の最高気温はそこまでではなかったものの、湿った空気に覆われ、蒸し暑い1日だった。しかしその鬱陶しさを吹き飛ばすかのように、いろいろなジャンルの本が紹介され、今回も楽しい時間を過ごすことができた。今回、文庫化されて異例のヒットとなっているガルシア・マルケスの『百年の孤独』を取り上げた方が複数いて、その壮大な物語を熱く語っていたのが印象的だった。(発表順、文体は常体に統一)。
なお、これまでの 読書会報告集、Book List、もご覧いただけます。
〇篠原泰司(一文)
『暁の宇品』堀川惠子、講談社 2021年
(『暁の宇品』堀川惠子、講談社文庫 2024年)
太平洋戦争において呉が海軍の乗船基地であったことは知っていたが、広島市の宇品に陸軍の乗船基地があったことは、この本を読むまで知らなかった。宇品の存在が広島への原爆投下に至る最大の要因であるらしいのだが、しかし、その宇品の存在そのものが忘却の彼方に消え去りそうになっていたらしい。「本書は宇品に生きた三人の軍人が残した未公開資料などを発掘、分析し知られざる宇品五十余年の変遷をよみがえらせる」(文庫P11)ものである。太平洋戦争戦史という側面のみならず、戦後の日本のあり方にまで深い洞察の光を与えてくれる一冊だ。2021年に出版された本書は大佛次郎賞を獲得し、2024年の今年7月に文庫本になった。12月にはNHKのスペシャル番組も企画されている。
『決定版カフカ短編集』フランツ・カフカ/頭木弘樹編、新潮文庫
カフカの小説は私の高校生の時の愛読書だった。その小説のほとんどは読んでいた。その中でも短編小説は特に好きだった。しかし、それ以後今に至るまで読むこともなく遠ざかっていた。意図的に遠ざけていたわけではなくいつか再読してみたいと思っているうちに長い年月が過ぎてしまったのだ。それが没後100年の企画として新潮社から刊行された短編集を目にして再び読み始めるきっかけをつかんだような気になって、50年ぶりに読んでみた。読んでみて気が付いたことはその凄さだ。特に「流刑地にて」はこんな小説だったっけ?「断食芸人」にはこんなに凄みがあったけ?という風に。とにかく驚いた。50年前、私は何を読んでいたのだろう。本当にカフカの短編には面白いものが沢山ある。
『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア・マルケス/鼓直 訳、新潮文庫
「百年の孤独」は10年前ぐらいに単行本(ハードカバー)で読んだのだが、今年の6月に文庫になったのを機に読み直した。初めて読んだ時よりも面白く引き込まれてしまったのは何故なのか?物語のスケールの大きさとその幻想性を称してマジックリアリズムと言うらしいが、そんな月並みな表現では表せないほど凄まじい小説だと思う。今まで4000円ぐらいの値段の本で手を出しにくかったのが、文庫になって1250円。よくぞやってくれた。
〇加藤 透(政経)
『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア・マルケス/鼓直 訳、新潮文庫
突如出版された百年の孤独。社会現象に近い売上げを継続している。是非お読みいただきたい。テーマはラテアメリカの一つの集落の変遷であり、小さな個人とマクロな歴史が往還して進んでいく。膨大なエピソードを内包しながら。しかし自然主義的な叙述ではなく、幻想と現実が混淆する、マジックリアリズムで描かれている。
〇山口伸一(理工)
『オパールの炎』 桐野夏生、中央公論社
1967年、中絶とピル解禁を訴えた中ピ連創設の榎美沙子を描いた作品。彼女の過激な活動は面白かったが、標的となった男性や家族は悲惨であった。その後、選挙で落選してからは世間の耳目から遠ざかったが、その理由を桐野流の味つけで読ませる。
ピルは女性の社会進出の一助となったと言われている。榎の主張は早すぎたのかもしれない。
〇福島 碧(社学)
『関ヶ原』(上中下)司馬遼太郎、新潮文庫
家康のサクセスストーリーの検証が面白い。「人に働いてもらう」家康と「人に働いてもらえない」三成の比較。その原因を突き詰めていくと、その育った場所が農村部か商人の世界かも、少なからず関係しているのかもしれないと思ったりした。
40代で読んだ「項羽と劉邦」(司馬遼太郎著)以来の痛快小説だった。
『家康』(1〜8巻)阿部龍太郎、幻冬舎時代小説文庫
かつての部下であり、その後、秀吉方へ寝返った石川数正との再会の場面には、泣けてくる。
それにしても、家康の部下への報奨の額の大きさにはびっくり! 著者は、常に報奨の金貨を現在の円に換算して記しているので、「そんなにあげるんだ!」と驚いた。
1955年生まれの阿部氏の今後の著作が楽しみだ。
〇沖 宏志(理工)
『あの頃ぼくらはアホでした』東野圭吾、集英社
ベストセラー作家東野圭吾の自叙伝的本。
同世代なので様々なアジェンダを共有できて、実におもしろい。
ゴジラ・ウルトラQ・ウルトラマンといった怪獣物の話。
「燃えよドラゴン」や「ビートルズ」など、はまったものの話など。
しかし、私よりかなりワイルドな中学・高校時代を過ごしたようだ。
大学でのグループ実験の話もワイルドだった。
〇石河久美子(一文)
『どうしても頑張れない人たち』宮口幸治、新潮社
昨年の読書会で報告した「ケーキの切れない非行少年たち」の続編。著者は児童精神科医。
境界知能や軽度の知的障害がありながら見落とされ、はたから見ると怠けているように見える頑張れない人たちはどういう人たちか、どう支援したらいいかをわかりやすく説く。
頑張れない人たちは認知機能が低く見通しが弱いため目標が立てられないことが多い。
支援する上では、頑張れない行動の背景を考え、寄り添い、必要に応じてチャレンジできる機会を提供することが求められる。
著者も指摘しているように日本社会は、「頑張っている人を応援する」頑張ることが美徳とされる社会、その在り方についても考えさせられた。
〇首藤典子(法)
『ヒルビリー エレジー』J. D. ヴァンス、光文社未来ライブラリー
トランプ氏が次期米副大統領候補として紹介したヴァンス氏がベストセラー作家ということだったので、アメリカではどのような本が人気なのか興味が湧いた。ヒルビリーとは元はアイルランドからアパラチア山脈周辺のケンタッキーやウエストバージニア州に住み着いた移民であり、かつて製鉄業が盛んであった頃、ヴァンス氏の祖父が製鉄所に職を得たのをきっかけにオハイオ州に一家で移住する。このような人たちは中流の生活を会社が保証し社会福祉の充実した暮らしをしていたが、製鉄業の衰退と共に、人々の生活も廃れていく。このRust Belt(錆びた地域)から抜け出てエール大学法科卒業後弁護士となった氏が議員事務所で働いた後議員になっていく。自身の生い立ちを忠実に描いたという作品、アメリカの繁栄から取り残された白人達が仕事もなく生活保護を受け、ドラッグ、アルコール漬けになる悪循環から脱け出せない、希望が持てないことへの怒りをツイッターに上げたことで、トランプ氏が着目、「アメリカを再び偉大にしよう」と呼び掛け支持層の基盤が造られた。成熟した資本主義、民主主義のもたらした光と影。大統領選の行方が気になるところである。
〇仁多玲子(商)
『ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 枕草子』清少納言/角川書店編、KADOKAWA(角川ソフィア文庫)
現在、NHKで、紫式部のドラマ「光る君へ」をゴールデンタイムで放送している。
今まで、平安時代のドラマは、あまりなかったので、毎週楽しみに見ている。ところで、紫式部は「源氏物語」だが、ライバルの清少納言は「枕草子」。私は、いままで、「枕草子」を読んだことがなかったので、一度読んでみたくなった。ネットで探して、一番手頃な本を探したのが、今回紹介した本。
この本は、現代語訳・原文・解説が短編ごとに付いていて、初心者向け。値段も手頃で、手に取りやすい本ということで、今回紹介した。
〇日比野悦久(理工)
読書会での皆さまから紹介される内容は興味深いし、それらの内容から皆さまが常日頃 思索されているお話を伺うことができ、それだけで改めて視野を広げる貴重な機会を頂けてます。
〇斎藤悟(社学)
本を読む時間ない状況でレベルの高い異次元空間に浸り、我に帰る貴重な時間になって居ります。皆様有難う御座居ます。
〇宮田晶子(政経)
『基本季語500選』山本健吉、講談社学術文庫
俳句を細々と続けている私には、歳時記は必需品。しかし、歳時記における季語の説明は通り一遍で、それと例句が並んでいるだけ。季語の深い意味を知ってこその俳句作りと思うので、物足りないところがあった。本書は、文芸評論家の山本健吉氏が500の季語を選んで、その古典をめぐる圧倒的な知識から解説し、例句を挙げている。500というのは膨大な季語の数からすれば少ないかもしれない。しかし取り上げられている季語については、本当に深い知識を得られる。
*次回は、前田由紀さん(一文)の司会で、11月22日(金)秋の54ら読書会を予定しております。
2024/09/14第一回ビール会報告
第1回ビール会(街歩き付)の報告
2024年9月14日(土)、隅田川ブルーイングにおいて、記念すべき第1回目の「ビール会(街歩き付)」を開催しました。
ビール好きの54らカップルが最近メキメキと腕をあげてきた日本各地のクラフトビールをビール好きの54らと一緒に楽しみたいとの企画です。
折角なので、ビールの前に街歩きを加えれば、一方的にカロリーを注入するのではなく、程よく消費してからの注入なのでカロリーを気にしている54らにもうってつけです。
当日は、9月の中旬なのに信じられないくらいの暑さで、日陰を上手に利用して両国界隈を歩きました。テーマは、「赤穂義士をたどろう」。
安兵衛の剣術道場跡を出発し、吉良邸をめぐり最終ゴールは両国橋たもとの大高源吾の句碑まで、赤穂事件の話を皆で確認しながらの街歩きです。私は播州出身なので、小さいころからなじみのある話題です。
街歩きの後、暑さを避けるため路線バスでビール会場の隅田川ブルーイングに向かいました。
お目当ての隅田川ブルーイングはアサヒビールが作った、東京第一号地ビールのブルワリーです。
クラフトビールとしてケルシュ、ヴァイツェン、スタウトが味わえます。
各々好きなビールで乾杯し、美味しい料理とともに楽しい時間を過ごしました。
コロナ前は時々街歩きの企画が開催されていましたが、久しぶりの街歩きになりました。
さて、次回は赤穂事件の最終地、泉岳寺界隈で決まりかな。
文責 益田 聡(理工)
参加者(50音順、敬称略)
奥田、系野、向坂、今野、櫻井、種村、長坂、平野、福島、益田あけみ、益田聡
2024/06/22総会開催報告
2024/05/24春の読書会報告
第17回春のオンライン54ら読書会 2024.5.24
【参加者】
篠原泰司(一文)、宮田晶子(政経)、石河久美子(一文)、鈴木伸治(商)、首藤典子(一文)、沖宏志(理工)、露木肇子(法)、加藤透(理工)、斎藤悟(社学)、前田由紀(一文)
(以上10名、敬称略)
二十四節気によると、この季節は「小満」。「草木が繁って天地に満ち始める」意とか。すがすがしい季節となった。しかし、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻が重なり、即時停戦が切に望まれる状況にある。戦没者を悼む「ゴジラ-1.0」、クラッシック・オペラ音楽、愛子さまブーム、米大統領選、新NISA、経済小説巨匠の自叙伝、失われた30年日本経済の低迷、「虎に翼」憲法24条秘話、7,80年代人気作品の再読、ヨーロッパにおける難民状況、「光る君へ」平安文学と今回も参加者の関心事がいろんな方角を向いていて、実に壮観であった。参加者からの紹介文を掲載する。(発表順、文体は常体に統一)
なお、これまでの 読書会報告集、Book List、もご覧いただけます。
〇篠原泰司(一文)
「デューン 砂の惑星PART Ⅱ」2024年3月劇場公開
待ちに待ったドゥニ・ヴィルヌーブ監督の手になるデューン砂の惑星の2作目。デヴィッド・リンチ監督の映像よりも心理劇や政治劇の方にバイアスがかかった印象がある。その分主人公たちの超人(超能力者)ぶりはかなり抑えられていて、特にアリア(主人公ポール・アトレイデスの妹)がはっきりと登場させられていなかったのは残念だった。昔からの砂の惑星ファンとしては物足りなさが残る。しかし、このことは次回への伏線としては何か強烈な意味をもっているのかもしれない。次作PART Ⅲに期待。
「ソウルメイト」 2024年2月劇場公開
韓国の女優チョン・ソニをドラマ「ボーイフレンド」から注目していて、今回イ・ダミ(梨泰院クラスで有名)との共演ということで期待して見に行ったが、期待に違わず予想以上に良い映画だった。2021年の香港映画「ソウルメイト/七月(チーユエ)と安生(アンシェン)」のリメイクだが、小説家から画家へと設定が変更されており、また物語の舞台の中心になった済州島の映像の美しさも特筆もの。鉛筆による極細密な巨大肖像画と済州島の四季の映像に注目。
「ゴジラ-1.0」 2023年11月劇場公開
観てわかったことだが、この映画は1954年のゴジラ第一作目の正統なリメイク作品だ。だから、ここに登場するゴジラは太平洋戦争で海に消えた戦死者の魂の集合体ということになる。主人公の名前を敷島にしたことは大和(日本)にかかる枕詞からであるはずであり、映画の最後の方で海中に没するゴジラに向かって総員で敬礼するシーンはゴジラ=戦死者の主題を示していると考えるのは誤りではないはずだと思った。
『〈死〉からはじまるクラシック音楽入門』樫辺勒、日本実業出版社
書店で手にした瞬間「これは買いだ」と思った本。「死」という角度から見たクラシック音楽が今まで知りえなかった情報につながっていく快楽。音楽史の本としても「死」の音楽のガイドブックとしても、たぶん生涯役に立つだろう。
〇宮田晶子(政経)
『赤と青のガウン』彬子女王、PHP文庫
愛子さまが留学・進学せずに就職されたのは話題になったが、皇族の皆様の留学って単なる箔付け?と思ったところで、この三笠宮家の彬子女王のオックスフォード留学記が目に留まった。女性皇族として初の博士号を取得された方だが、まずオックスフォードの大学院に入学許可を得るのも大変だし、研究でも色々な苦難があったようだ。滞在中、プリンセスとしてではなく、一大学院生として様々なことに取り組まれているのがとても好感が持てた。時系列ではなく、色々なエピソードごとの章立てになっているが、それぞれちゃんとオチもついていたりして面白い。またそれぞれの章のタイトルがマッチした四字熟語となっているのも洒落っ気が感じられた。
【まだ読んでないけど、興味を持っている本】
『人新世の「資本論」』斎藤幸平、集英社新書
21年の新書大賞を取り、話題の書であることは知っていたが、手に取る機会がなかった。注目したのは、Harvard Business Reviewのテーマ書評でその英訳書Slow Downが取り上げていたこと。この欄で日本人著者の本が紹介されることはなかったので、ブームには乗り遅れたが、読んでみようと思う。
【まだ観てないけど、興味を持っている映画】
「関心領域」ジョナサン・グレイザー監督・脚本
ちょうど54ら読書会の当日に封切られた映画。ホロコーストが行われていたアウシュビッツ強制収容所の「隣」で平和に幸せに暮らす収容所所長一家の話。収容所の映像は一切出てこないとのことだが、音や建物から上がる煙や気配からその存在は伝わってくるらしい。暇がなくて6/1現在、まだ映画館に足を運べていないが、評判は良いみたい。
〇石河久美子(一文)
『壁の向こうの住人たちーアメリカの右派を覆う怒りと嘆き』Strangers in their own land
A.R.ホックシールド、岩波書店
トランプを支持する人たちはどういう人たちなのか。著者は、アメリカでも有数のリベラルで知的な地域バークレイのカリフォルニア大学の社会学者。真逆ともいえる共和党の牙城の南部ルイジアナ州で聞き取り調査を行う。明らかになってきたのは、古き良きアメリカの規範を重んじて、真面目に生きてきたのにアメリカンドリームに到達できなかった白人中間層の実態。黒人、移民、LGBTなどマイノリテイの人たちには優遇措置があるのに、自分たちは顧みられてないという不満を抱えている。そういった人たちの心情にぴったり寄り添ったトランプを、著者は「感情に訴える候補者」と表現している。11月の大統領選を注視する上でも参考になる書。
〇鈴木伸治(商)
『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』ピーター・ディアマンディス、スティーブン・コトラー共著、土方奈美訳、NewsPicksパブリッシング(2020年12月24日)
著者のピーター・ディアマンディスは、Xプライズ財団CEO。シンギュラリティ大学創設者、ベンチャーキャピタリスト。連続起業家としては寿命延長、宇宙、ベンチャーキャピタルおよびテクノロジー分野で22のスタートアップを設立。現在の主要なテクノロジーとして、量子コンピューティング、人工知能(AI)、ネットワーク、センサー、ロボテックス(ロボット工学)、仮想現実、拡張現実、3Dプリンティック、ブロックチェーン、「材料科学」とナノテクノロジー、バイオテクノロジーを紹介。それらのテクノロジーの「コンバージェンス」(融合)によりこの先10年で変化する、交通、小売、広告、エンターテイメント、教育、医療、長寿、保険・金融・不動産、食料、環境、統治、宇宙などの変貌を予測。
『LP300選』吉田秀和、新潮文庫(1981年2月絶版)
『名曲三〇〇選』吉田秀和、ちくま文庫(吉田秀和コレクション)(2009年2月)
著者は、クラシック音楽の豊富な体験・知識をもとに、音楽の持つ魅力や深い洞察を、すぐれた感覚的な言葉で表現し、日本の音楽評論において先導的役割を果たす。グレゴリオ聖歌やルネッサンスの音楽から、ブーレーズやシュトックハウゼンらの現代音楽まで、音楽史の流れを解説しながら名曲300曲を選び、ベスト・レコード(ちくま文庫では未掲載)を紹介。
〇首藤典子(一文)
『めぐみ園の夏』『破天荒』高杉良、新潮文庫
80冊もの経済・企業小説を書き上げた作家が書いたとは思えない、意表を突く穏やかなタイトルに引かれ手に取ってみた。『めぐみ園の夏』では、作者が、両親が生きているにも関わらず、その不仲により、戦争孤児となった者達と図らずも同じ施設で暮らすことになったという経緯から始まっている。施設内でのいじめや暴力、園長の理不尽な扱いにもめげず、それらに果敢に立ち向かっていく少年時代の作者が描かれている。また、通っていた学校で飛び抜けて優秀な成績であったが、総代への選出は担任他級友達からも認められているのに、施設に居たことを理由に学校側から推薦を受けられなかったという、不当な扱いを受ける。しかし、そんなことをものともしない人生を送っていくことになる、施設を出た後の続編『破天荒』へと繋がっていく。その生き様がとても小気味良い。
『破天荒』は、児童養護施設を出た作者が、新聞記者として取材を重ね、経済界の著名人とどのように関わりあい、付き合ってきたかの様子、日本が高度成長の波に乗っていたこともあり、華やいだ時代を思うがままに生き、自分の持って生まれたものを使いきり、「筆一本で活躍する」というかねてからの願いを実現させたことに羨ましささえ感じる。
〇沖宏志(理工)
『ザイム真理教』森永卓郎(フォレスト出版)
『日本経済は復活できるのか』野口悠紀雄(SBクリエイティブ)
失われた30年の原因について対称的な意見の2冊。
森永卓郎は、「消費税」という重税で需要をシュリンクさせた需要側の問題とし、野口悠紀雄は、円安政策によって、日本企業の経営者やエンジニアが油断して競争力が落ちたという供給側の問題としている。個人的には、需要側/供給側と明確に言えなくて、日本の強みが環境変化によって強みでなくなった位ではないかと言う意見。人口オーナスの影響もかなり大きいと思っている。
〇露木肇子(法)
『1945年のクリスマス-日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝』ベアテ・シロタ・ゴートン、構成・文 平岡磨紀子、朝日文庫
朝ドラの「虎に翼」が始まって2ケ月経過し、ついに日本国憲法が登場した。これから4ケ月間、寅子は憲法という翼を得て、理想を求めて羽ばたいていく。寅子は家庭裁判所設立に関わっていくが、憲法24条の「家庭生活における個人の尊厳と両性の平等」の条文が家裁の基本理念となる。
この条文の草案を作ったのが、今回紹介する本の語り手、ベアテ・シロタである。ベアテは1923年生まれのロシア系ユダヤ人、父はキエフ生まれのピアニストのレオ・シロタで、ベアテが5歳の時、山田耕筰に請われて来日する。ベアテは日本で成長したので日本語が得意である。15歳からアメリカに留学したが、2年後日米開戦のため両親との連絡が途絶え、戦後両親に会いたい一心でGHQ民間人要員となって日本に戻ってくる。そして、22歳で憲法草案作成グループに抜擢され、女性の権利条項を任される。ベアテは法律については素人だが、戦前の日本の男尊女卑の社会を知っていたため、女性の幸せのためにベストを尽くすことを決意し、ソ連憲法やワイマール憲法を参考に、母性保護、平等教育、同一賃金等につき7つの条項を作成した。しかし、具体的な内容は大幅にカットされ、すべてを集約する内容にて憲法24条が生まれた。
是非「虎に翼」を観ながら、憲法24条の意義を考えてみてほしい。
〇加藤透(理工)
『風の歌を聴け』村上春樹、講談社(2004年文庫初出)
50年の時の経過を当時、話題になった本を再読することで、振り返ってみた。何よりも村上春樹がここまで人気と評価が上がるとは思っていなかった。一番不思議な構成は、序文と後書きなどで、繰り返し米国人作家の具体名を出して、謝意を語っていること。気づくのが遅く恥ずかしいが、これが全て架空の作り話である事を知った。結果として、物語、エピソード、主人公、登場人物のキャラクターはほとんど虚構のうえに存在している事を知った。リアリズムの現代文学と対比して、ポスト・モダンの文学と評した女性がいた。なぜ、このような屈折した構造にしたのか。しかし、当時としては例がなく、斬新な企みといえる。しかし、この「発明」で、何を表現したかったのかは、よく分からない。
『なんとなくクリスタル』田中康夫、河出書房新社(1983年)
著者は、当時無名の大学法学部5年生の、田中康夫の作品。ページを開くと、右ページにストーリーがあり、左ページはびっしりと注釈で埋め尽くされている。21歳の主人公の女子大生が身にまとっている衣装のブランド、お気に入りの店、好みの音楽、好んで散策する街並みなどが、田中の、時に素直な、時にシニカルな注釈が書き連ねてある。50年前にリアルタイムで読んだが、高等遊民達のこのような通俗的な物や事に対する賛美が、学校の授業とアルバイトを行き来した当時の自分の生活感覚と大きくかけ離れ、強い違和感を感じたが、今回読み直しして、同じ違和感を抱いた。どこに、どうやって、これらの遊民達は成り立っているのか。しかし、この本は、そのリアリティを探るのではなく、散りばめられた当時の消費文化を回想するに留めるべきだ。僻まなければ、当時の文化的様相を回想する立派なテキストであり、軽薄ながら濃密な記録になっている。
『岬』中上健次、文藝春秋(1976年)
注目すべきプロット(筋)は、以下の通り
1)主人公は、土木建設の組の主任として働いている。日を浴びて、汗をかき、山裾の景色と一体となり、その描写は官能的ですらある。都会を舞台とした都市的小説とは大きく異なる。このような描写が描かれたのは、希なことである。
2)現在の義父とは別の、実父に対する憎しみが繰り返し独白され、全体のリズムを形成している。その心境は、エディプス・コンプレックス、「父殺し」の感情であり、第2部
の「枯木灘」へと劇的に進んでいく。
3)物語に緊張感を与えるのは、義理の兄の狂気と自死のプロットである。
4)実父が娼婦に生ませて、娼婦として働く妹を主人公が買い、実父への復讐を果たすことでこの中編は終わるが、感情は妹への「愛しさ」へ転じる。
全体的に、短文の繰り返しや、同一事象の繰り返しの叙述など、実験性を兼ね備えている。これは、前衛ジャズの繰り返しのフレーズを参考にしたという。
〇斎藤悟(社学)
いつもレベルが高く身が引き締まります。いつも和やかで楽しませて頂いて居ります。
有難う御座居ました。次回も楽しみにして居ります。
〇前田由紀(一文)
「RHEINGOLD ラインゴールド」ファティ・アキン監督
ドイツの人気ラッパー、カタ-(ジワ・ハシャビ)の伝記映画。イランでジワの父親は有名な音楽家だったが、イスラム革命によりクルド系難民としてドイツに亡命し、貧困の中で育つ。やがて裏社会に足を踏み入れ、金塊強盗でつかまり、刑務所へ。そこで、鬱屈した自分の生い立ちをラップで歌い、ラッパーとしてブレイクする実話である。様々な言語が飛び交い、他国で何とか生き延びようともがく若者たちのエネルギーがみなぎる。クルド系のみならず、パレスチナ、トルコ、シリア等ドイツでの移民社会を垣間見ることができる。
『アフガンの息子たち』エーリン・ペーション、ヘレンハルメ美穂訳、小学館
スウェーデンの難民児童施設で働く若い女性レベッカは、アフガニスタンから逃れてきた三人の少年を担当することになる。家族と離れ一人で避難してきた少年たちは、この施設に辿り着くまでに過酷な体験をしており、心を閉ざし、18歳の成人になれば母国に強制送還されるかもしれない不安がよぎる。アフガンからの難民は、他の難民とはまた違う境遇の悲惨さが、ある程度の距離感をもって接するレベッカの静謐さにより更に際立って伝わってくる。
『ビギナーズクラシックス日本の古典 枕草子』角川書店編集、KADOKAWA(角川ソフィア文庫)
NHK大河ドラマ「光る君へ」が放送されている。『枕草子』の背後にある、悲劇の中宮定子を敬慕し、定子の素晴らしさを称え、お仕えした日常を慈しむ清少納言に思いを馳せて読むと、より味わい深いものとなる。ドラマから平安時代の住まい、食事、装束、かな文字、暮らしぶりが想像できると、すぅーっと平安文学へと自然と入っていけるような心持ちがする。
*次回は、宮田晶子さん(政経)の司会で、8月23日(金)夏の54ら読書会を予定しております。
2024/04/21早慶レガッタ応援報告
54ら会第9回早慶レガッタ応援報告
2024年4月21日(日)隅田川で第93回早慶レガッタが開催されました。
54ら会では、10:00から54ラン会が隅田川テラスランしつつ、レガッタ観戦。女子はいつもどおりの勝利でしたが、第二エイトは残念な結果でした。
13:30から、54ら会応援団が、桜橋近くの墨田区側に三々五々集合し、13人で応援しました。まずOBエイトは幸先良く勝利。それぞれ持ち寄った飲み物や差し入れの桜餅、ワインを頂きながら、対抗エイトのレースを待ちました。スタートしてから約10分スマホ中継でレースの様子を聞き、ついに見えてきた両艇。早稲田がリードしていることに喜びながら、目の前を通り過ぎる艇に大声で声援を送った結果、0.25艇身の勝利!見事、昨年のリベンジを果たしました。
祝勝会は吾妻橋「金の炎」のビルにあるフラムドールで。美味しいアサヒビールで祝杯をあげました。その後、盛り上がった勢いでカラオケへと流れ、楽しい1日となりました。
(櫻井直子記)
参加者
遠藤弘文 岡野勝 系野力 小林章子 櫻井直子 首藤典子 鈴木忠善 田角成人 番平均 日比野悦久 平野伸一 広渡紀子 益田聡