2022/11/25 第11回秋の読書会報告

今回は、混迷を極める世相を反映して、主に全体主義や社会思想、
安全保障の自衛大学校、ウクライナの歴史を振り返る社会科学系本
が紹介された。他には、独学のススメ、アメリカの人気作品、沖縄
レシピ本、芸術品のような絵本、時代小説と多彩な本について語ら
れた。通常より少ない人数となったが、全員の参加者にゆったり
お話していただける読書会となった。

参加者の皆さんは、ご覧の通りです。(発表順)

沖宏志さん、篠原泰司さん、仁多玲子さん、鈴木伸治さん、高平潔さん、
露木筆子さん、宮田晶子さん、前田由紀 (8名)

全体主義の受け入れてしまう大衆(沖)
⇒独学のススメ・自然描写の美しいアメリカベストセラー(篠原)
⇒沖縄料理の醍醐味(仁多)
⇒社会思想の歴史を振り返る(鈴木)
⇒初参加今回は視聴のみ。ラグビー部出身(高平)
⇒絵本の色彩の素晴らしさ(露木)
⇒国の安全保障を担うエリートたちの防衛大学校(宮田)
⇒ウクライナ侵攻から露呈する様々な問題提起と高3生による京都文学賞受賞作品である瑞々しい時代小説(前田)

次回 第12 回 54 ら読書会
2023年 2 月24日(金)1 9:3 0 より/ホスト 宮田晶子さん(政経)
※11 月、2 月、5 月、8 月の第4金曜日に開催しています。

なお、これまでの 読書会報告集Book List、もご覧いただけます。

1.沖 宏志(理工)

『悪と全体主義』 仲正昌樹 (NHK出版新書)

主にナチスを題材として、全体主義がどのように育ち、どのように災いを人類にもたらしたかのハンナ・アーレントの主張を解説した本である。全体主義を受入れてしまう悪い意味での「大衆」を問題としている。最近、一連のトランプ本やプーチン本を読んでいて、全体主義は今、目の前のある脅威で他人事ではないと感じる今日この頃である。
 悪い意味での「大衆」を説得するのは言わずもがな、自分自身が全体主義の手法にたぶらかされないのですら、おそらく思っている以上にずっと難しい。なんせ、こんな本を書いている人が統一教会に入っていたわけだから。

2.篠原 泰司(一文)

『独学の教室』読書猿、吉田武、ウスビ・サコ他、インターナショナル新書107、集英社

 独学(独りで学ぶこと)の魅力、意義、そしてその方法を探った本。英語、美術、読書、ノート術、漫画、数学、物理学はては冒険まで、14人の独学者による多彩なジャンルに関する寄稿がまとめられている。それぞれの寄稿が15~18ページと短く、通勤電車の中で一つの寄稿を読み終えることも可能。興味のあるジャンルや気になる寄稿者の文章から読んでみれば、これからの人生を豊かにしてくれることは間違いのないことだと思う。

『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ、友廣純訳、早川書房

 この読書会でも、すでに何名かの人が推薦していた「ザリガニの鳴くところ」だが、私自身興味を持ち本(原書も)も購入していたが、2年間読まずに積んでおく状態にしていた。ところが、2022年11月18日に映画が公開されるという情報を得て急遽読み始め、映画公開の日時に合わせて読み終えた次第だ。

 11月24日には映画を鑑賞してきた。予想していたことだが、原作の内容を2時間の上映時間の枠に収めることには無理があり、内容的には物足りなさや消化不良の感は否めなかった。できれば一話が1時間の枠で10話ぐらいのテレビドラマシリーズにしてほしかった。それでも、さすがに映画であって、自然や人物の描写には大画面の映画ならではの深さや美しさを感じた。この「ザリガニの鳴くところ」という小説の本当の面白さを知るには、やはり小説を読むべきである。

3.仁多 玲子(商)

『NHK連続テレビ小説 ちむどんどんレシピブック』オカズデザイン、NHK出版

今回、私は、NHKの朝ドラだった「ちむどんどん」のドラマの中で使われた沖縄料理の作り方を教えた本を皆さんに紹介した。ネットで見つけて、面白そうなので、1冊購入した。

有名な、ゴーヤチャンプルーはもちろんのこと、ラフテー、ゆし豆腐、にんじんしりしりー等、沖縄料理は、本当にヘルシーで、作り方も簡単。とりあえず、私は、ゴーヤを買ってきて、ゴーヤチャンプルーを作り、とても、美味しかったです。

皆さんも、沖縄料理にご興味のある方は、ぜひ一冊買って、ご家族に食べさせてください。

4.鈴木 伸治(商)

『社会思想の歴史 マキアヴェリからロールズまで』坂本達哉、名古屋大学出版会

 ソ連の崩壊からロシアのウクライナ侵攻、中国の社会主義市場経済の進展から米中対立、米国の経済成長の中でのトランプ旋風から国内の分断、EU拡大の一方でのブレグジットなど、最近の世界は、これまでになく政治や経済に不安定な状況が生まれつつある。

 その背景を知る上での一助となる本がないかと探した結果、見つけて現在読んでいる本が今回ご紹介する本。本書は、ルネサンス、宗教改革からソ連・東欧の社会主義体制の崩壊まで、西欧近代500年間の社会思想の歩みが概観されている。そして、現代人の課題でもある議会制民主主義と資本主義を基盤とする社会における諸問題と取り組んだ歴史が描かれている。

 5.高平 潔(法)視聴

 本日は、初参加受入頂き有難うございました。本日は、視聴のみの参加となりましたが、大変な刺激となりました。皆様の興味の広さと博識の深さに触発されました。学生時代(ラグビー部在籍)に、ボールを蹴ったのと同じ位頭を蹴られているので正常な作動に自信がありませんが、皆様と読書を通した認識交換出来ればサンデー毎日となった私には最高の機会です。今後とも宜しくお願い申し上げます。

6.露木 筆子(法)

絵本『スイッチョねこ』文/大佛次郎 絵/朝倉摂 青幻社

絵本を収集して45年になる。集める基準は色の美しさである。その中で最近感動したのがこの絵本だ。朝倉さんは日本画家・舞台芸術家で1922年生まれ。今年は生誕100年なので、70年代発行されたこの絵本が復刊されたようだ。子猫の愛らしい童話は、鮮やかな色の魔力で、幻想物語に変わっていて、読む人を圧倒する。

絵本『カッコウが鳴く日』『わたしの好きな場所』『秋は林をぬけて』小泉るみ子作・絵 ポプラ社

 作者は1950年北海道生まれ、早稲田の文学部を卒業してから絵本作家としてデビューした。たくさんの絵本を出しているが、紹介するのは、北海道の四季を、厳しさを込めた深味のある色彩で見事に表現した、画集のような絵本だ。その他民話を題材にした絵本も魅力的だ。

7.宮田 晶子(政経)

『防衛大学校—知られざる学び舎の実像』國分良成(第9代防衛大学校長)、中央公論新社


世界情勢が不安定な中、防衛費増額が検討され、自衛隊への注目も高まっている昨今、自衛隊幹部を養成する防衛大学校に興味を持った。朝6時にラッパで起床、勉学に加えて訓練に勤しみ、外出もなかなか自由にできないという防衛大学校生の生活は、現代の若者のそれとはかけ離れている。ここに入学し、将来の自衛官を目指す方達(並びに送り出す親御さんも)の覚悟は大変なものだと思った。学校の歴史などの記述も興味深かった。

8.前田 由紀(一文)

『中学生から知りたいウクライナのこと』小山哲・藤原辰史、ミシマ社

京都大学のポーランド史と食と農の現代史が専門の歴史学者が、「中学生に立ち返って、大人の認識を鍛え直す」という意味を込めて執筆した書。歴史が繰り返されるのは、忘却にあり、歴史学者の資格は、「忘れない執念」であるという。ウクライナ侵攻による、①国際法違反での国連の限界、②ロシアの人々や文化の排除、差別の危険性、③NATOとロシアの善悪二元論の危うさ、④大国によって分裂と統合を繰り返してきたウクライナの歴史、⑤情報戦の国際報道の偏り、⑥日本の中立のあり方など多くのことを考える機会となった。

『ちとせ』高野知宙、祥伝社

 京都文学賞受賞作品。高3生による時代小説。時は、明治初期。幕末から変わりゆく京都を背景に、病により徐々に視力を失っていく孤高の少女が三味線を必死に修行し、周りの温かい人たちに支えられ成長していく青春小説。車屋の御曹司との淡い恋模様も切なく、瑞々しい。将来の不安、失望を抱える思春期から凛として自立して「闇に浮かぶ浄土」への境地に立つ過程の描写が同年代でもある著者と時代を超えてリンクして実にリアルである。

 

2022/11/5〜6 ゴルフを楽しもう会秋合宿報告

平成25年から開催しており今回7回目の
「54ら会ゴルフを楽しもう会秋合宿」を
恒例の『きぬがわ高原カントリークラブ』で
11月5日から6日1泊2日2プレーで実施しました。
今回は新型コロナウイルス第7波が落ち着き、全国旅行支援が実施され、
特急券が売り切れるなど多くの観光客が出かける中での開催でした。
大切な仲間への感染リスクを避けるため、
抗原検査やPCR検査で陰性を確認した上での参加です。

当初23名の申込みがありましたが、3名のドタキャンあり。
秋田県や兵庫県から来られた方もおり初参加7名を含めて過去最多20名で6組プレー。

電車組16名はゴルフ場への日塩もみじライン途中にある白滝でクラブバスを停めてもらい、紅葉真っ盛りをバックに記念撮影。

車で来る予定の岡野さんの車が日光-宇都宮道路でバーストしてしまい、レンタカーでの到着(事故がなく良かった)。遠藤弘文さんとの2ツーサムプレーで1時間遅れも明るいうちに無事に18ホールを回って来られました。

参加者の日頃の行いの良さが効してか、雲一つない晴天のもとで2日間ゴルフを享受しました。ゴルフ場でも紅葉、そして夜は満点の星空を満喫しました。

12人用ロッジを2棟独占し、栃木和牛のすき焼き・しゃぶしゃぶ、、塩ちゃんこ。残念ながら今回不参加の栄養士 石川由美さん直伝のカレー雑炊でお腹パンパン。アルコールも進み、久しぶりの対面で仲間との時間共有は捨て得難い幸せです。

帰路は鬼怒川温泉駅でSL大樹が見られ、下今市駅からは「東武スページア」コンパートメント3室で究極のプチ贅沢。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。来年の秋合宿を約して浅草駅で解散の秋合宿でした。

次回は恒例の1月で、1月28日(土)名門中山カントリークラブでの集いです。

(中村敏昭 記)

【参加者】石川昌義、遠藤弘文、岡野勝、大和田秀二、片桐孝宏、
北島正一、系野力、櫻井直子、篠崎行良、首藤典子、寺内千賀子
中村敏昭、早川一秀、平野伸一、藤岡敬之、堀尾正明、前田佳子
益田聡、森元晴一、横田敬介

              *:秋合宿初参加メンバー

写真集

2022/11/3 コーラスの集い参加報告

11月3日、新宿文化センターにて
新宿区生涯学習フェスティバル「音楽・コーラスの集い」
が開催され、TKB54シンガーズ有志が「TKB54フレンズ」として参加しました。

なかなかリアル練習がしづらかったこの1年でしたが、
有志でのほぼ月1回の練習を重ねて、1年間の成果を発表することができました。
感染防止からいろいろ制限がつきましたが、
開催が実現し、ステージで気持ちよく歌うことができて、
うれしかったです。

写真アルバムはこちら

ステージの動画はこちら

2022/10/23 稲門祭報告

久しぶりの稲門祭は、好天に恵まれ、54ら亭も盛況。

54ら亭では、
54らどら焼きやTシャツ・ポロシャツなどの54らグッズ販売を行いました。
また、ラグビー部OB会と協力してラグビー部応援コーナーを設けて
ラグビー部の記念グッズ販売を行いました。

稲門祭としては以前より少ない出店でしたが、
同時開催のホームカミングデー式典が分割開催だったためか
人の流れが途絶えず、54ら亭は盛況。
どら焼きは昼頃には完売となりました。

来てくださった方、ご購入くださったかた、
ありがとうございます。

来年は我々1979年卒業は、
ホームカミングデー(HCD)招待年となります。
また、大学で会いましょう。


 

2022/8/26 第10回読書会報告

第1 0 回 夏のオンライン5 4 ら読書会
2 0 2 2 . 0 8 . 2 6
【参加者】
篠原泰司(一文)、首藤典子(一文)、斎藤 悟(商)、鈴木伸治(商)、露木肇子(法)、中村敏昭(理工)、
仁多玲子(商)、日比野悦久(理工)、福島 碧(社学)、前田由紀(一文)、宮田晶子(政経)
(以上11 名、一部参加の方も含む)
54 ら会のオンライン読書会、回を重ねて10 回目を迎えました。
常連の皆様に加え、初参加の方が3人いらっしゃいました。
今回は、本の紹介自体は少なめでしたが、イチエフ(福島第一原子力発電所)の視察に絡めた本の紹介
などもあって、いつもと少し違った趣の会となりました。
以下は当日、挙げていただいた本を発表者のお名前とともに紹介いたします。推しの本について、それ
ぞれ長いコメントをいただいており、それをそのまま(文体は常体に統一しました)掲載しております

なお、これまでの 読書会報告集Book List、もご覧いただけます。


(順不同)。
1 中村敏昭さん(理工)
2022 年1 月21 日に、イチエフ(福島第一原子力発電所)を視察する機会を得た。この視察をめぐって
出会った3 冊の映画と1本の映画を紹介する。
『F u k u s h i m a 5 0』
2021 年3 月6 日に公開された、福島第一原子力発電所事故発生時に発電所に留まって事故対応業務に従
事した約50 名の作業員(通称「フクシマ50」)の闘いを描いた映画。主演は渡辺謙、佐藤浩市、監督は
若松節朗。視察の準備として震災から10 年後の3 月11 日に『Fukushima 50』を鑑賞していた。
『廃炉:「敗北の現場」で働く誇り』 稲泉 連(新潮社)
イチエフの案内役は、経産省資源エネルギー庁で廃炉汚染水対策を担う木野正登さん(木野さんとは会
社のOB であるM 氏との縁で知り合った)。昭和54 年生まれで第二文学部卒業の飯泉連氏は、この本の
第1章には「福島に留まり続けるある官僚の決意」として木野さんとの出会いやエピソードを記してい
る。人事異動希望書には「一生、福島においてください」と書き、国側の広報的立場として、行政が開
催する地元への説明役を引き受け、企業原発事故に関心を持つ人を対象に、原発構内や被災地を巡る活
動をしている。「霞が関から絶対に見えないもの」をたくさん見ている人。
『福島のことなんて、誰もしらねぇじゃねかよ』カンニング竹山(ベストセラーズ)
M 氏は福島に本店を置くS 工業に出向したのだが、新幹線の駅で手にした同書に紹介されている「あね
さの小法師」という飲み屋の常連となり、そこで木野氏と知り合ったのだそう。カンニング竹山氏は東
日本大震災以降、プライベートで何度も福島に入り、たくさんの被災者とも話を交わしてきた。本書は
彼の目を通した率直な福島について綴っている。視察後「あねさの小法師」に行ったら、なんと福島テ
2
レビのロケで当のカンニング竹山氏が来店。幹事長の名刺を渡し、54 ら会の活動紹介もしておいた。
『緊縛』小川内初枝(筑摩書房)
何ともすごいタイトルだが、2002 年の太宰治賞受賞作。M 氏より、この小説のモデルが会社の元社員O
氏(一時PJ で私の下につく)であることを知り、図書館から借りて読む。彼の性癖を垣間見た。
*本の紹介もさることながら、イチエフ視察の様子も詳細にお話しいただき、興味深かったです。
2 篠原泰司さん(一文)
『美は乱調にあり—伊藤野枝と大杉栄』 瀬戸内寂聴(岩波現代文庫)
瀬戸内寂聴43歳から57歳の間に書かれた作品で、アナーキスト大杉栄と「青踏」の編集者伊東野枝
を中心に描かれた群像劇的伝記小説。大杉栄が四角関係の末に神近市子に刺される(日陰茶屋事件)ま
でが「美は乱調にあり」。そして、憲兵大尉の甘粕正彦によって大杉栄、伊藤野枝とその甥橘宗一が虐
殺される(甘粕事件)までが「諧調は偽りなり」。「美は乱調にあり」と「諧調は偽りなり」の間には実
に14年のブランクがある。
97歳の2017年に刊行された文庫版のまえがきに「自分の作品の中で若い人にもっとも読んでもら
いたい作品だ」と寂聴は書き、また、その最後に「この小説を書いて、「青春は恋と革命だ」という考
えが私の内にしっかりと根を下した。」と書いた。
結末に近づくにつれ後日談が知りたくなり、読み終えるのが惜しくなる小説だった。
3 露木肇子さん(法)
『紙の動物園』ケン・リュウ(ハヤカワ文庫)
中国出身でアメリカで活躍するSF作家の短編集である。どの短編も読み応えがあるが、特に書名とな
った「紙の動物園」は感動せずにはいられない。
アメリカ人と結婚した中国人の母親は私達と同世代の1957年生まれ。息子に折り紙で動物を折り、
息を吹き込むと動物は動き出す・・・・・。
短い展開の中で登場人物の思いが胸に刺さり、あまりの切なさで苦しくなる。
SFの世界的な賞3冠に輝く傑作である。
『円』劉 慈欣(早川書房)
これも中国のSF作家の短編集である。
その中の「栄光と夢」を是非読んでほしい。
アメリカとシーア共和国は戦争中で、シーアは経済制裁を受けて国民は飢えで苦しんでいる。そんな中
戦争に決着をつけるため、北京オリンピックを変更し、アメリカとシーアの2ケ国だけのオリンピック
として、勝った方を戦勝国とすることになった。負けても金メダルの数の分恩恵が与えられる。飢えで

ともに練習もできなかったマラソン選手の少女シニは、アメリカの最強女性ランナーに戦いを挑
む・・・・・。
3
他にも奇想天外かつ風刺的な短編がつまった才気あふれる一冊である。
4 首藤典子さん(一文)
『長い道』柏原兵三(小学館)
1968 年、『徳山道助の帰郷』で第58 回芥川賞受賞、著者の祖父日中戦争時代の陸軍中将伊東政喜がモデ
ルになっており、その伊東中将の妹の嫁ぎ先が首藤であるという縁繋がりの作家。『長い道』は後に『少
年時代』の作品名で藤子不二雄A氏により漫画化、山田太一氏脚本で映画化されている。内容としては、
主人公の少年が戦禍を逃れ疎開先で、地元の少年達の輪に入ることが出来ず、悩みもがく日々。唯一の
味方と思っていた地元のリーダー格の少年が実は首謀者であったが、この悩める日々との決別は、終戦
と共に東京へ戻ることによって訪れたところで終っている。小学校高学年の主人公が同じ通学路で登校
する少年達の輪に入れず涙する様子、また疎開先の祖母の家での暮らしや学校の様子、東京に残った家
族から送られてくる本、甘菓子、絵具を家に訪ねてくる少年に与えたりして何とかつながろうとする少
年の姿がいじらしく描かれている。
『小説8 0 5 0』林真理子(新潮社)
引きこもり100 万人の時代、避けては通れない事象の為読んでみたかった作品。引きこもってしまった
らもう誰とも話をしようとはしないが、なんとかその原因を知らなければ解決の糸口がつかめない。
色々と相談したり、実際に行動を起こしたりするのは引きこもった人間ではなく親であると示唆されて
いる気がする。「8050」では父親が引きこもりの原因を、当時の息子の友人に会っていじめがあったこ
とを聞き出し、母親は旧友に相談していたことから、この件で訴訟を請け負ってくれる弁護士を紹介し
てもらう。この弁護士との出会いが運をもたらすが、過去の息子の友人が実際にここまで協力してくれ
るかは難しいのでは。
5 鈴木伸治さん(商)
『ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級』新井潤美(白水社)
イギリスの小説を読んだり、映画やTV ドラマを観たりしていると、爵位のある貴族や「ジェントリ」
と呼ばれる地主を含む上流階級の人物が登場して独特の存在として描かれているが、その独自性の背景
を理解することは難しいものである。
日経新聞の書評欄で、この本を「彼らは実際、その社会・文化の中でどのように形づくられ、語られて
きただろう。私たちが抱く華やかなイメージのどこまでが真実だろう。そんな疑問が氷解する一冊であ
る」と紹介していたことから読んだのだが、この本はそのような本。
『アメリカの病 パンデミックが暴く自由と連帯の危機』ティモシー・スナイダー/池田年穂
訳(慶應義塾出版会)
前記の書評欄の同一紙面に、「世界一の超大国アメリカで、コロナウイルスの犠牲者が最も多いのはな
ぜか。医療ミスにより、生死の淵を彷徨う中で、コロナ禍に遭遇した著者による病床からの緊急レポー
ト!」から興味を持って読んだ本。
アメリカの医療システムや公衆衛生の脆弱さ、人権問題、そして「自由」の真の意味での復活と個人の
4
健康とのかかわり、孤独と連帯の相補についての考察を深め、トランプを頂点とするアメリカの権威主
義体制や医療の世界にも及んでいる経済寡占についての批判を展開している。
個人的には若い頃に読んで強い印象が残っている『自由からの逃走』(エーリッヒ・フロム著/日高六
郎訳)に匹敵する本で、多くの方にも是非読んでいただきたい。
『決戦!株主総会 ドキュメント L I X I L 死闘の8カ月』秋葉大輔(文藝春秋)
日本の上場会社の中には、わずかばかりの株式しか保有していない創業家出身者などが圧倒的な力を握
り、自分の思うままに経営するケースが少なからずある。
このため、そのような創業家出身者などがわざわざ外から招いたプロの経営者を追い出すという事例は
散見され、これまではそのまま収まるのが普通だった。
この本では、追い出されたプロ経営者が泣き寝入りせずに戦いを挑み、勝つことはほとんど不可能とい
われる株主総会で勝利を収めたことが記録されている。
この事例をもとに、コーポレートガバナンス(企業統治)の良し悪しを判断することは全くできないが、
それが如何に難しいことであるかは窺い知ることができるのではないかと思う。
6 前田由紀さん(一文)
『教え学ぶ技術――問いをいかに編集するか』苅谷剛彦/石澤麻子(ちくま新書)
「高校の論文指導に携わっているが、生徒が自分の問いに辿り着くまでが一番難しい。自分にとって切
実な問題とは何か。この本は、オックスフォード大学でのチュートリアルという論文の個別指導につい
て解説している。What do you study?の意味でWhat do you read?と問うオックスフォードの教育。
常日頃から何か引っかかることを、すぐにメモ帳に書き留めておくと、日常が面白くなる気がしてきた。
7 宮田晶子(政経)
『映画を早送りで観る人たち』稲田豊史(光文社新書)
映画や映像を早送りで観る人たちが増えているという。ネットには、ファスト映画やネタバレサイトが
溢れ、少なくとも粗筋や内容は簡単に掴める時代だ。しかし、それで作品を味わうことになるのだろう
か?こうした疑問から出発した本書は、現代社会が抱える問題にまで踏み込む。S N S の発達による同
調圧力(みんなの話題にはとにかくついていかねばならない)、個性がもて囃される故に細かいことま
で取り敢えず知っておきたい、また回り道と失敗をとにかく避けたい、という気持ち。これらが(特に
若い人たちを)倍速視聴に駆り立てている。便利になったけど、余裕がない世の中になっているのを実
感(これは日本の国力とも関係あり?)映画や映像はもはや鑑賞されるものではなく、消費されるもの
のようだ。
5
次回 第11 回 54 らオンライン読書会
1 1 月2 5 日(金)1 9:3 0 より/ホスト 前田由紀さん(一文)
※11 月、2 月、5 月、8 月の第4金曜日に開催しています。

2022/5/27 第9回オンライン読書会報告

第9回 春の54ら読書会報告 
2022年5月27日

今回も参加者の皆さんの読書への情熱をひしひしと感じるひとときとなりました。
参加者の皆さんは、ご覧の通りです。(発表順)

村山さん、仁多さん、沖さん、篠原さん、福島さん、
山口伸一さん、露木さん、鈴木伸治さん、
益田あけみさん(視聴)、宮田さん、前田 11名

世界の視点による明治維新(村山)⇒養生訓・スパイス(仁多)⇒極上スパイス(宮田)⇒イェール大学の死生観講義(沖)⇒全体主義の起源・養老孟司・メタ自己啓発(篠原)⇒フリーメーソン・お城めぐり(福島)⇒水戸黄門の歴史的意義・Audio Book⇒文化人類学者のファンタジー(露木)⇒文学史における意識の流れ小説の意義(鈴木)⇒須賀敦子作品(宮田)⇒バカロレアの哲学・不便益のすすめ(前田)

なお、これまでの 読書会報告集Book List、もご覧いただけます。

1.村山 豊(法)

◎『官賊と幕臣たち』原田 伊織
◎『明治維新の大嘘
司馬遼太郎の日本史の罠』
三橋 貴明
〇『明治維新の光と影』西原 春夫
△『逆説の日本史』 18-21の4巻井沢 元彦
△『明治維新とは何だったのか  世界史から考える』半藤 一利 出口 治明対談
△『書き換えられた明治維新の真実』榊原 英輔
×『明治維新とは何だったのか』一坂 太郎
×『明治維新という過ち』原田 伊織
×『幕末の大誤解』熊谷 充晃
×『微笑む慶喜』戸張 裕子
×『嘘だらけの日英近現代史』倉山 満

上記「明治維新」関連の全14冊を読了して〇△×の評価を付けた。従来の「薩長史観」すなわち明治政府の文部省が脈々と国民に伝えてきた「明治維新は薩摩藩長州藩を中心とする理想に燃えた下級武士の若者たちが近代国家を作り上げた物語」を脱却して、欧米列強とくに英国が薩長を、フランスが幕府をバックアップした内戦であったという視点がなければ理解できないということだ。

 一級の一次資料が次々とみつかり日本史は古代史から近現代史に至るまで次々に書き換えられている。考えてみれば、一定の職を持たず脱藩した若者(典型例「坂本竜馬」)が日本全国を飛び回り活動していた資金は一体だれが供給したのか。(答えは大英帝国スポンサー)江戸を目前にした東征軍が総攻撃直前で突如停戦に応じた理由(英国パークス公使の恫喝的停戦斡旋 勝西郷会談など後付けの形式)は大英帝国の立場になれば簡単に理解推定が可能だが、エビデンスがないという理由で歴史学会は退嬰していたというわけである。

2.仁多 玲子(商)

『わがまま養生訓』薬剤師・日本漢方養生学協会理事長 鈴木養平、薬日本堂 監修

貝原益軒は、江戸時代の儒学者で、また本草学者であるが、有名な著書に『養生訓』がある。『養生訓』は、日々の生活習慣を、健康法だけでなく、生き方まで言及しているというので、当時ベストセラーになった。今回紹介した『わがまま養生訓』は、忙しすぎて、自分を後回しにしている人に、著者の鈴木養平氏が、独自にポイントをピックアップして漢方の解説を交えながら伝えた本である。私は、この本に、とても感銘を受けた。自分のペースを大事にすることの大切さを感じた。皆さんにも、お勧めの本。

3.沖 宏志(理工)

『死とは何か』シェリー・ケイガン、文響社

「死」というものを宗教的にではなく、論理的に追求した本。「死」というものを語るには、「私」「同一性」「時間(今)」「神」「意識(言語)」「魂」といったものを確定しなければならないが、これらは簡単に確定できるようなものではない。そこで、様々な思考実験を展開して考えさせる。AIが出てきて、「私」「同一性」「意識(言語)」といったものも、より身近で具体的な問題になってきたような気がする。

4.篠原 泰司(一文)

『ヒトの壁』 養老猛、新潮選書

猛さんの「壁」シリーズの最新刊。これまでの「壁」に負けず劣らずの味わいのある本である。初めは科学哲学的な内容に難解さを感じたが、途中からどんどん引き込まれた。多田道雄(免疫学者)、加藤典洋(文藝評論家)らとの交流。そしてご自身の母と兄のことなど。これらの部分は特に面白く読むことができた。心に染み込んでくるような内容の濃さと深さのある一冊である。

『なんでも見つかる夜にこころだけが見つからない』 東畑開人、新潮社

これまで出版されてきた自己啓発本や生き方エッセイなどとは一線を画する、まさに「メタ自己啓発本」(P276)に相応しい一冊。本書の狙いは、わかりやすい解決法をノウハウとして提示することよりも、病んだ自己の心の捉え方を今までにない手法で示すこと。その手法が、処方箋ではなく補助線。「シェアとナイショ」、「スッキリとモヤモヤ」、「ポジティブとネガティブ」、「純粋と不純」の補助線の先に現れる患者たちの心の有り様は本当にリアリティーに溢れており、資本主義の真っ只中を漂う私たちにとっても一読の価値のある本だと思う。

★難解なので正式には紹介しなかったのですが、ハンナ・アーレントの『人間の条件』(ちくま学芸文庫)と『全体主義の起源』(みすず書房 全三巻)も読書会のメンバーにはインパクトが強かったようだ。

5.福島 碧(社学)

『フリーメーソン源流紀行-歴史の源流・古代地母神信仰』清川理一郎著
『キリストと黒いマリアの謎-異端・自由思想・ラテン系フリーメーソン』清川理一郎著
 大学の先輩が著者。隠れた人気がある著者であり、書物である。過去に映画化された。丁度この2月にロシアのウクライナへの侵攻が始まった頃に読み始めたが、これを読むとプーチンは負けると確信した。林董(ただす)氏の名前も、久しぶりにこの本で拝見した。

『収容所から来た遺書』辺見じゅん著
 以前読書会で紹介いただいた本。衝撃的だった。このところピアノソナタをよく聞くのだが、シューベルトのピアノソナタD899&D935、ベートーヴェンのピアノソナタ24-27、30-32を聴くと必ずこの本の山本幡男氏とシベリアの大地に思いを馳せてしまう。

『源頼朝』1-3巻 山岡荘八著
 以前から好きな偉人の生家や住んでいた家をよく訪ねてきた。例えば、ショパンの生家、モネの住んでいた家等。最近は、読んだ歴史書の登場人物に共感すると、そのゆかりのお城を訪ねている。最近は、徳川家康の生まれたお城の岡崎城を訪ねた。次は、小田原城を訪ねたいと思い、この本を読んだ。源頼朝の生が、本当に奇跡のようなもので、また頼朝が20年も忍耐したことに感動を覚えた。

『織田信長』1-5巻 山岡荘八著
 お城巡りで、いつか安土城跡を訪ねようかと思い、この本を読んだ。だが、信長の明智光秀へのパワハラがひどく、多分この本に書かれていないパワハラも沢山あるのではないかと想像され、結果安土城探訪は遠のいてしまった。

6.山口 伸一(理工)

『光圀伝』冲方 丁(うぶかた とう)早稲田大学第一文学部中退。

徳川家康の孫、光圀は水戸黄門として知られるが、彼は悪徳商人退治ではなく、大きく政治に関わっていた。水戸藩を納めるだけではなく、江戸を焼き尽くした大火や疫病への対応や、将軍の後継問題など幕政にも腐心していた姿を描く。「天地明察」をしのぐ傑作。

『国宝』吉田修一 オーディブル 語り 尾上 菊之助
ヤクザの息子が歌舞伎の国宝まで上り詰める物語。フィクションだが昭和から平成まで

の梨園が舞台で、家柄や襲名問題、不倫、バブルの借金、ワイドショーの攻撃など、上下2

冊の長編とは感じない面白さ。菊之助の語りも歌舞伎の場面での迫力は流石。新たな読書の

体験が楽しめた。

7.露木 肇子(法)

『香君』上下 上橋菜穂子、文藝春秋 

作者は「精霊の守り人」等守り人シリーズで著名な児童文学者で、国際アンデルセン賞をはじめとする数々の賞を受賞している。文化人類学者でもあって、人類社会の専門知識が作品に活かされている。「精霊の守り人」はNHKでドラマ化され、「獣の奏者」は同じくNHKでアニメ化されていて、いずれも絶大な人気を誇っている。「香君」はその作者の最新作で、この3月に上下2巻同時発行された。

 今回の作品も、今迄と共通の特徴を有している。まず舞台は地球のどこかだが、大陸あり海あり島ありで、そこに住む人種は様々で、文化・言葉もいろいろである。時代は中世のようで、移動手段は馬や船である。帝国と属国があり、支配者の多くは男性である。その中で異才を有する女の子が人命を助ける活躍をしながら成長していく。また、ファンタジーながらの、この世ではない別の世界と接している場所があって、まれに行き来がある。物語のテーマは、権力とは、支配とは、正義とはというもので、必ず正義が勝つので胸がすく。お孫さんがいれば是非プレゼントしてほしいファンタジー作品である。

8.鈴木 伸治(商)

『ダロウェイ夫人』バージニア・ウルフ、土屋政雄訳、光文社古典新訳文庫

この小説は、保守党国会議員の中年の妻クラリッサ・ダロウェイ夫人が政治家を招くパーティを開催する1日を描いているが、そこでは大した事は起こらず、ダロウェイ夫人ともう一人の主人公であるセプティマスの現在と過去の思い(「意識」)を中心に、二人を取り巻く人々の同じく意識が時の流れに従って淡々と綴られている。このため、ダロウェイ夫人の過去の恋愛とセプティマスの第一次世界大戦の後遺症は分かるのだが、それ以上のことが分からないというのが当初の印象だった。

『若い読者のための文学史』ジョン・サザーランド、河合祥一郎訳、すばる舎

これまででしたら、そのままなのですが、今回は『ダロウェイ夫人』の何が評価されているのか理解するため、次の本を読んでみた。この本の中で、バージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』は「意識の流れ」という技法をウルフが最も巧みに用いた作品としてとして紹介されている。そして、ジェイムズ・ジョイスの小説『ユリシーズ』の最終部分の「何ページにもわたって句読点のない」文章について、それが「一種の『意識の流れ』であり、私たちが本当に生きている場所とは、自分の心の中であると、ジョイスの小説は主張している」と指摘している。日々の自分を振り返ってみて、いかに多くの時間を「意識の流れ」の中で過ごしているか、『ダロウェイ夫人』は、そのようなことを強く認識させてくれた本である。

また、『若い読者のための文学史』は、そればかりか、カバーに記載されているように、「なぜ私たちはここにいて、どう生きればいいのか。あらゆる文学が、作家が見出した真実を答えとして提示する。本書では、社会に衝撃を与え、商業的に成功し、後世の書籍に残った魅力的な作品を、たっぷりの情報とともに面白く語り尽く」している本である。この本は、ウィリアム・H. マクニール著『世界史』を読んだ際の興奮に似たものを感じさせてくれた。

9.宮田 晶子(政経)

『コルシア書店の仲間たち』須賀敦子/白水Uブックス

『ミラノ 霧の風景』須賀敦子/白水Uブックス

どちらも、1960年から十数年ミラノに住み、カトリック左派が拠点とする書店「コルシア・デイ・セルヴィ書店」と関わった須賀敦子さんのエッセイ集。ミラノをはじめ、各地で出会った多くの人々を通じてイタリアの思い出を綴っている。彼女の人を見る目の確かさと、とても練られた文章によって、どんな思い出が語られても、その光景やその人物の人となりが鮮やかに思い浮かぶ。

10.前田 由紀(一文)

『バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く』坂本尚志、日本実業出版社

 フランスの高校生は、哲学が必修で、卒業試験で一つの哲学的問いに対して答える4時

間の筆記試験がある。抽象的な命題に対して、導入⇒展開⇒結論という流れの中に、

抽象的な言葉の定義、自分の論の反対意見を尊重するなど書き方の実践を公開している。

『不便益のススメ 新しいデザインを求めて』川上浩司、岩波書店

技術は、生活をより便利にするために進歩してきた。しかしこれからの未来、この便利さを追求するあまり失ってしまう価値もあるのではないか、あえて手間をかけることで、新しい価値、発想、アイデアが生まれることを示唆してくれる。不便さを自ら取捨選択し主体的に生きる。素数しか目盛りのないものさし、消えていくナビ、その店限定京土産など開発した京都大学情報学研究者からの新鮮かつ貴重な提案である。

これまでの読書会報告集
これまでのBook List
次回 第10回 54ら読書会
8月26日(金)ホスト 宮田晶子(一文)
※11月、2月、5月、8月の第4金曜日 
19:30~21:00実施予定

2022/5/16第7回オンラインセミナー報告(田中晃)

「準備せよ。」 
  ~ 箱根駅伝からパラスポーツまで/
      スポーツ中継のフィロソフィー ~

スピーカー:田中 晃さん(一文) (株)WOWOW代表取締役社長

●日時:2022年5月16日(月) 19:00 ~ 21:00頃 

( いつもより30分早く開催しました )

●世話人: 広渡(商)・石川(商)

========================

■参加申込み: 26名

(申込順)

福島碧・仁多玲子・ラング加代子・中村敏昭・遠藤弘文・

村山豊・大塚芳彦・益田聡・藤瀬敏彦・山口伸一・

前田由紀・橋本裕幸・種村隆久・日比野悦久・番平均・

宮田晶子・山口博・岡野勝・益田あけみ・梶田あずさ・

老久保敦・櫻井直子・沖 宏志・小林章子・林原亨・

田中典子

※当日のドタ参加者・不参加者 若干名あり

■今回は、新規企画としてセミナー運営スタッフ(メインスピーカー:田中、パーソナリティ:広渡・石川)3名で、「永楽倶楽部@赤坂」サテライトスタジオ(自称?)から発信しました。

↓↓

https://www.eiraku-c.com/aboutus/index.html

また、質問等は試みとしてセミナー中は「チャット」で受付けて、質疑応答時間を設定。

 ※懇親会では、ミュート解除でいつものようにみんなで ガヤガヤ と気楽に田中さんとの

談話となりました。

■「なぜ箱根駅伝中継は面白いのか・・・」を中心に、様々なエピソードや成功談・失敗談など

を織り交ぜて、1987年の初完全中継当時から変わらない「駅伝中継のフィロソフィー」

をご披露。

業界最前線からトップになられた田中さんらしい「豊富な資料と動画」を持参いただき、

最後までみなさんの興味の飽きない時間を過ごしました。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kimurayukihiko/20180110-00080313

2022/1/31 54ら会臨時総会 第6回オンラインセミナー(平野伸一)

1月31日 (月) ZOOM利用により
54ら会臨時総会・第6回オンラインセミナー&懇親会
を開催しました

いよいよコロナが収まりリアルの新年会ができるかなと楽しみにしていましたが、
オミクロン株の猛威により断念。
東京ではまん延防止等重点措置が発出されている最中の2022年1月31日(月)、
第一部のオンラインによる54ら会臨時総会に引き続き
「第6回オンラインセミナー&懇親会」が開催されました。
第二部のセミナー、
講師は平野伸一さん(教育)で、
前アサヒビール社長、
早稲田大学稲門体育会代表委員、稲門拳法倶楽部(日本拳法会)会長を務められています。
テーマは「アサヒビールの経営理念の導入と戦略について」
      ~アサヒビールがNo1となるまでの軌跡~
と題し、水面下のご苦労話を伺いました。
酒類業界での一つの事例ですが、業界や会社は違えども共通点は多く、
危機感の醸成や情報の共有、成長をするためのベクトル合わせの重要性、負け犬根性の打破等々・・・
興味深い話を聞かせていただきました。
第三部は懇親会、
平野さん目当てで月末平日月曜日の夜にもかかわらず、セミナー、懇親会ともにたくさんの54らに参加いただきました。
平野さんと同郷の54ら会元会長の住吉さん(政経)の乾杯のあと、
質問をしたり感想を述べたり、スーパードライを飲みながら大いに盛り上がりました。
      
お正月なのでお酒の話を誰かにしてもらいたいなと思ったのがきっかけで、
54ら会繋がりの縁があって平野さんのセミナーにたどり着きました。早稲田54ら会はすごい。
次回は是非リアルでの開催にしたいねと皆で祈念してお開きとなりました。

文責 益田 聡(理工)
参加者50音順(敬称略 漏れがあればご容赦ください)
石川、老久保、沖、岡野、梶田、系野、小林、斎藤、櫻井、仁多、茂原、篠原、住吉、多田、長坂、中村、橋本
、馬場、林原、番平、日比野、平野、広渡、福島、前田、益田 聡、益田 あけみ、宮田、村山、山口伸一、山口博

2022/2/25 第8回オンライン読書会報告

2022年2月25日
第8回オンライン読書会を開催しました

【参加者】
益田聡(理工)、篠原泰司(一文)、沖宏志(理工)、露木肇子(法)、
梶田あずさ(一文)、山口伸一(理工)、福島 碧(社学)、中山隆(理工)、
仁多玲子(商)、村山豊(法)、前田由紀(一文)、宮田晶子(政経)
(以上12名、一部参加の方も含む)

54ら会イベントで静かな人気の読書会。
会を重ねて今回で第8回を迎えました。
常連の皆様、お久しぶりの方、そして初参加の方もお2人お迎えして、今回も楽しい会になりました。
紹介された本は絵本から、同窓の多和田葉子氏の著作、アカデミー賞で話題の村上春樹の『ドライブ・マイ・カー』、江戸末期に生まれた女性イコン画家の生涯を描いた小説、シベリア抑留者のノンフィクション、150人が150人に東京での生活を聞いたインタビュー集、そして読書会で人気の原田マハ氏の小説などなど、いつものように、バラエティに富んでいます。
また、Japan Problemについて述べられた本の紹介から、日本の生産性について、リーダーについて、議論が白熱したのも印象的でした。

以下は当日、挙げていただいた本を発表者のお名前とともに紹介いたします。
推しの本について、それぞれ長いコメントをいただいており、
それをそのまま(文体は常体に統一しました)掲載しております。

このラインナップを見ると、あまりにさまざまで逆につまらないんじゃない?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
いやいや、この雑多な感じが読書会の醍醐味です。
お越しいただければ、この面白さがお分かりになると思います。
皆様のご参加をお待ちしております。

なお、これまでの 読書会報告集Book List、もご覧いただけます。

1 益田聡さん(理工)
『いのちのまつり「ヌチヌグスージ」』 草場一壽 作/平安座資尚・絵(サンマーク出版)
4歳の孫に命の大切さを伝えたくて、この絵本を手にした。
この絵本の目玉、先祖から命は繋がれていることが
一目で分かる絵(あっというようなびっくり仕掛け)が
いのちの大切さを伝えている。
以前、小学校3年生の道徳の副読本として使われていると聞いた。
孫には早すぎるかと思っていたが、今回の読書会で、幼稚園で中高生が読み聞かせをしているという話を教えてもらった。
皆さんのお孫さんにおすすめの絵本。

2 篠原泰司さん(一文)
『地球にちりばめられて』 多和田葉子(講談社文庫)
一文出身でドイツのハンブルク在住の小説家多和田葉子さんが2018年に出した小説。
「世界のどこかにあるはずの自分と同じ母語(日本語)を話す者を探す旅」の物語。
メタファーに満ちていて不思議な感じを味わえる。私の場合、せつない郷愁みたいな感情を感じながら読み終えた。
第8章の「Susanooは語る」は演劇的で特に面白かった。
多和田葉子さんは国際的に評価が高く、ノーベル賞候補でもあるらしい。

『エクソフォニー 母語の外に出る旅』 多和田葉子(岩波現代文庫)
エクソフォニーとは母語の外に出た状態。
例えば母語の日本語を離れてドイツ語の世界で創作するとかいうことではなく、
言語と言語の間にあるあわいみたいな場に生きることらしい。
世界各地に滞在して感じた作者の気付きや感慨がつづられた随筆集。示唆に富んだ内容に溢れている。

『女のいない男たち』 村上春樹 文春文庫
2222年アカデミー賞四部門にノミネートされた映画『ドライブマイカー』の原作は、
この本の最初の方の部分P19~P70に収録されている短編小説。
読んでから観るか観てから読むかの選択で、私は後者を選択。
結果としての感想は、どちらが先でもかまわないのではないかと感じた。
短編小説では描き切れなかった主題の掘り下げがあり、新たなエピソードもいくつか加えて重層性と厚みのある映画を作り上げているように思う。
アカデミー賞を受賞できればいいと思う。

3 沖宏志さん(理工)
『2022年再起動する社会』伊藤千秋(高陵社書店)
富士通の元副社長で、P C部隊だった時、上司だった人の書いた本。
コロナ後の社会について述べており、情報bitが多いわりに、軽くて、アッという間に読める。
Japan Problemについても多々述べている。
・電子政府で進んでいる韓国は実は日本のすぐれた実証実験を参考にした。
 -やる事がわかっていてもそれを実施できない日本人。
・日本のIT産業の労働生産性がアメリカの1/5なのはやらなくてもいい仕事をしているから。
・ファイザーは、開発方針に関する意思決定をトップ層からボトム層に移すというカイゼンをやって、ワクチンを開発した。
 -米国内の評判が「強欲な会社」から「命を救う会社」に変わった。
しかし、個人的意見としては、日本では「賢い人の上に賢くない人がいる。(Wrong order)」
というのがJapan Problemの一番の本質的問題….と思っている。

*「労働生産性」については、他の方からも意見が出て、議論が沸騰しました。

4 露木肇子さん(法)
『白光』 朝井まかて(文藝春秋)
日本初のイコン画家、山下りんの生涯を描いた小説である。
山下りんは、1857年の江戸末期に茨城県笠間市で生まれ、
1939年の昭和初期に同市で81歳で亡くなった。
その美しい宗教画は、函館のハリストス正教会や神田のニコライ堂で見ることができる。
りんは、女性は嫁にいくのが常識という時代に画家を志し、日本画の時代に西洋画を目指し、
宗教が未だ弾圧されていた時代にロシア正教に入信し、
留学先のロシアの修道院でイコンを強制されると、
色彩豊かなイタリア画を望んで抵抗した。
1868年の明治維新、1890年の宗教の自由を制限的に認めた明治憲法制定、
1904年の日露戦争、1917年のロシア革命という激動の時代にロシア正教信徒は翻弄され、
日本で、さらにはロシアでも弾圧されていく。
りんは次々と襲う苦難の中でイコンを描き続けながら、それに込められた意義を次第に理解していく。
小説の最後に書かれたりんの心境は、私達の世代になってようやく共感できるものかもしれない。
なお柚木麻子の「らんたん」も、明治時代にアメリカに留学し、恵泉女学園を創立した河井道を描いたもので迫力あった。
津田梅子の新札を契機に、女性の道を切り拓いてきた女性達が、さらにクローズアップされていくことを期待したい。

5 梶田あずささん(一文)
『東京の生活史―― 一五〇人が語り、一五〇人が聞いた 東京の人生』 岸政彦編(筑摩書房)
本の厚さ約6.5㎝、重さ約1.4kg、1216頁、およそ150万字。
一般公募による150人の聞き手が、それぞれ知り合いの、東京にゆかりのある150人にインタビュー。
いまを生きる人びとの膨大な語りを、コラージュのように一冊に集めた本である。
聞き手、語り手のプロフィールなどは一切記されておらず、偶然のように並べられた自分についての150の語りからは、その人の人生の断片が生々しく浮かび上がってくる。
私は父母が亡くなってから、
父や母はどんな思いをもって生きてきたのか、ちっとも知らなかったなぁ、
という思いにとらわれたりするのだが、
この本は、「語るに足らない人生などない」と言ってる気がする。
まだまだ読み始めたばかりのこの本を、一話一話、大切に読んでいきたい。

6 山口伸一さん(理工)
『収容所から来た遺書』 辺見じゅん(文藝春秋)
日本の敗戦が決定した後、突如、不可侵条約を破り参戦したソ連により、
中国で武装を解除した日本兵や満鉄の職員は強制的に酷寒のシベリアに労働力として収監された。
本書は満鉄職員だった山本幡男(写真)が収容所で病死し、
その遺書を戦友が一字一句覚えて、彼の家族に伝えた実話。
シベリア収容所は政治犯を収監する監獄で、日本兵は寒さと飢え、
ソ連兵の恫喝、兵隊同士のいがみ合いなど劣悪な状況に苦しんだ。
その中で山本は希望を失わず、戦友達に俳句や演劇などを通して周囲を励ましながら、日本へ帰国することだけを念じていた。
が、病に冒され病死する。
彼は遺書を家族に残したかったが、日本兵がメモを残すことは許されなかった。
そこで、彼を慕う友人や後輩、上司までが遺書を分担し、一言一句間違うことなく覚え、
帰国して家族に伝えることを決するのである。
ソ連兵の目をかいくぐり、それぞれの方法で暗記した遺書は家族に伝わった。
シベリアでの理不尽な収監に憤慨しながらも、このような状況を受け入れ、
その中でよろこびや楽しみを見出し、最後まで帰国を諦めない山本幡男はまさに好漢。
もしも同世代で学生時代に知り合えば、一生大切にしたい友人になったに違いない。
彼は東京外語出身であるので、接点はなかったろうが。
日本人として嬉しくも誇らしくも思うが、その一方で、受け入れてばかりで戦おうとしない姿勢には
日本人の大人としての美徳であるが、弱点を感じてしまう。
今の緊張高まる国際情勢では、ソ連、中国、北朝鮮などの野蛮な国家にはこの態度はまさに思うつぼである。
ウクライナや台湾、ウズベキスタン等の国はもちろん他の国からは
何もしない楽観主義にしか見えないのではないかと心配になる。
耳をすませば解決を諦め、言いなりになりましょうと言うメッセージが聞こえてくるようだ。
山本幡男は友人としては素晴らしいが、現代の政治家としては狡猾さ欠落している。
まあ、政治家に限ったことではないが、自分だけのことしか考えない狡猾さを持っていないと現代は生きていけないのではないかと感じてしまう。いじめ問題や過労死、うつ病の増加、フェークニュースやネットの炎上、さらに核保有とミサイル開発など今の状況はラーゲリよりはるかに複雑である。
この複雑な社会をどう生きるべきか山本と話がしたかった。

7 福島碧さん(社学)
『渋沢栄一 上 算盤編』『渋沢栄一 下 論語編』鹿島茂(文春文庫)
第7回の読書会で教えていただいた。
商売(仕事)の心得を知りたいと思い、読んだ。感激、感動の連続だった。
もっと早く読めばよかったと思う。また後日読み直してみたいと思った数少ない本の一つ。 

『新太平記 1〜5巻』山岡荘八(山岡荘八歴史文庫)
山岡荘八シリーズの一環で読んだ。
徳川家康や明治天皇も、太平記を幼い時に読んで勉強したと知り、読んでみたいと思った。
登場人物の楠木正成の生涯に感動した。
“人間には、信念のためにしか生きられない者と、そうでない者の2種類があり、
自分の子どもたちがそのいずれであるか見極めて育てるように。“
と楠木正成は奥方へ言い伝えて戦場へ旅立った。
この言葉は、何度も繰り返し登場する。

『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ(早川書房) 
以前の読書会でご案内いただき、またお客様に勧められたため読んだ。
途中で苦しくなり、読み続けられず中断したりした。サスペンス&ロマンス小説。
著者は、70才でこの小説を初めて書いたとのこと。このことにも、深い感銘を受けた。

『天、共にあり』中村哲(NHK出版)
『わたしはセロ弾きのゴーシュ』中村哲(NHK出版)
第7回読書会でご案内いただいた本。人間が生きて死ぬことの大切さを教えていただいた。

『楽園のカンヴァス』原田マハ(新潮文庫)
美術館巡りが趣味とお客様に話したところ、是非この本を読んでと薦められた。
画家ルソーにまつわるサスペンス&ロマンス小説。面白かった。

『たゆたえども沈まず』原田マハ(幻冬舎文庫)
『ジヴェルニーの食卓』原田マハ(集英社文庫)
『モネのあしあと』原田マハ(幻冬舎文庫)
『ゴッホのあしあと』原田マハ(幻冬舎文庫)
『リボルバー』原田マハ(幻冬舎)
美術好きにはたまらない。
フィクションとはいえ、どのようにしてマティスやドガ、ゴッホやモネが絵を描いていたのか、その背景がわかる気がして、とても面白かった。

8 前田由紀さん(一文)
『言の葉の森 日本の恋の歌』チョン・スユン、吉川凪訳(亜紀書房)
韓国の日本語翻訳家である著者が、万葉集や古今和歌集などの和歌を韓国語訳して、
日本語現代語訳と対比し、所感を記している。
古き時代と現代、そして日本文化と韓国文化が時を超え、
国を超え重なり合う不思議な文学空間がそこにある。
早稲田の大学院での留学した日々も描かれている。
人生の華やぎ、切なさ、物悲しさが詰まった本である。

『ライオンのおやつ』小川糸(ポプラ社)
最近は、健康が気になる年代であるが、どんな終末を迎えたいか。
瀬戸内の島にあるホスピスに訪れた若き主人公が、終末期穏やかな時間を過ごす。
「ライオンのおやつ」とは何か、読んでからのお楽しみとしたい。
こんな終末を迎えたいと思わせる温かく、優しい時間が流れる。
悲壮感より自然にもどっていくような安心感があり、満たされた気分に包まれた。

Don‘t Look Up、Netflix
こちらは、地球の終末期を描いた作品。
彗星衝突という地球の危機をたまたま察知した冴えない天文学者と助手が、
世界中にその事実を伝えようと奔走するが、メディアや国の中枢部に翻弄され、
地球を救う機会を逸してしまう。
さもありなんと思わせる人間の愚かさを克明に描いている。
富裕層は宇宙船で脱出するが、家族と手を繋ぎ地球と運命を共にする庶民のほうが幸せにみえる。

9 宮田晶子(政経)
『本日はお日柄もよく』原田マハ(徳間文庫)
近年、あまり小説を読んでいなかったが、読書会で人気の原田マハさんの本を読んでみることにした。
原田さんは元キュレーターで、美術がテーマのものから入るのが良いかしらとも思ったが、
「本日はお日柄もよく」というタイトルに惹かれてこちらを選んだ。
日本ではあまり馴染みのない職業、スピーチライターのお話。
主人公は鎌倉に住んでいて、祖母は俳人でという設定が私にかぶることもあり(私は鎌倉在住、俳人とはとても言えないが、少々俳句をたしなむ)、その点でも親近感があった。
何より、職業柄、わかりやすく多くの人を納得させる文章やタイトルを作りたいと思っているので、
言葉の力をテーマにしたこの話はとても興味深かった。
ただし、ストーリー展開は予想がつくし、出てくるスピーチについてもいまいちなものもある。

【今回は皆の発表の聞き役として参加された方からも感想をいただいています】
中山 隆さん(理工)
皆様のコメントを興味深く拝聴しておりました。
また、発表対象がテキストベースの紙の本に限定されていなかったところも面白く感じた次第です。

これまでの読書会報告集
これまでのBook List
次回 第9回 54ら読書会
5月27日(金)ホスト 前田由紀さん(一文)
※11月、2月、5月、8月の第4金曜日 
19:30~21:00実施予定

2021/9/25 オンライン・ミニコンサートを開催しました

 2021年9月25日20時から22時までZOOM開催。
スイス、ドイツ、カンボジア、沖縄、神戸、福島等々全国全世界から仲間62名が参集しました。
ZOOMのホスティングはシンガポール在住の老久保敦さん。司会進行はTVで活躍中のフリー
アナウンサー向坂真弓さん、勿論54ら仲間です。
全世界に星の数ほど稲門会はありますが、メンバーのリモート合唱・合奏をオンラインで
実施した例は初めての試みです。

第一ステージ
 オープニングは「そして紺碧の空」。今回のコンサートのきっかけになった曲です。
続いて「1979年次稲門会(54ら会)」の誇る混声合唱グループ「TKB54シンガーズ」がリモート合唱で校歌を披露。
交友の絆を確認する「糸」、東北を応援する「花は咲く」を続いて演奏。
締めは名曲中の名曲「早稲田の栄光」。
曲の合間には向坂アナの名調子が心地よく参加者の耳に届き、これも音楽の一つです。
 演奏の途中で次々とチャットで「泣ける」「聴き惚れる」「学生時代を思い出す」「涙が出てくる。」
等々のコメントに華が咲くのはZOOMならではのライブ感でした。

ブレイクアウトルームで10室に分かれましたが、同期の誼で初めて同士でも和気あいあいと
20分程談笑できたのは云うまでもなし。

第二ステージ。
世界3極バンド(ドイツN君、沖縄B君、シンガポールO君の理工3人組)のリモート合奏で
「紺碧の空」「情熱大陸のテーマ」。
続いてTKB54シンガーズによる、早慶レガッタの情景が歌詞となる「花」、
応援歌ともなる「上を向いて歩こう」そして「紺碧の空」で締めました。

 アンコール曲を巡ってブレイクアウトルーム10部屋で喧々諤々の後、
「糸」「早稲田の栄光」が選出され、再演奏。
最後は当然ながら校歌「都の西北」エール付。
ほぼ全員が画面の前に起立して共に歌い上げ、フレフレワセダ、
フレフレ54らを声高らかに唱和しました。

 なお都の西北と紺碧の空は、実際に画面上で校旗、54ら旗を掲揚し、
センターリーダーの指揮は元応援部主将の石川範行さんが指導・監修して、
シンガーズの団員が努めました。

終了直後に実施されたアンケートのコメントやチャットなどでの参加者の
感想は以下のとおりでした。 

不覚にも涙が出た
早稲田はつくづくグレイトな大学だと思う
早稲田に入って本当に良かったと実感した
音楽の力がこれほどすごいとは思わなかった
次回も是非参加したい92%
リモート合唱で校歌を唄ってみたい 新たに13人が立候補

以上
文責:村山 豊
参加者(敬称略・順不同)
:益田聡 中村敏昭 広渡紀子 篠原泰司 宮田晶子 仁多玲子 露木肇子 福島碧 馬場宏 岡野勝 吉岡真理子 小林章子 櫻井直子 藤瀬敏彦 前田育子 石川範行 日比野悦久 本多早苗 小野塚義夫 向坂まゆみ 茂原淳一 種村隆久 鈴木正明 梶田あずさ 馬場滋 馬場誠 長坂裕 番平 高山貞子 山口博 系野努 福田光洋 斎藤悟 高橋薫 野尻直樹 早河智春 入倉隆 中嶋則夫 谷口久光 塙宏美 田中泉 篠崎行良 山田裕史 益田あけみ 吉田育功 真壁治 木下勝博 橋本裕幸 関弘行 縣公一朗 醍醐裕治 村富洋一 木間正之 山岸信雄 北畠雅敏 杉山瑠美 矢部明良 谷川 今野玲子 伊井博 白石幸一郎 栗原正史 高橋正明 廣田崇行 首藤典子 佐々木豊 中野浩一 三浦悟 田中泉 老久保敦 村山豊