2024/01/27ゴルフを楽しもう会初打ちゴルフの報告

2024年1月27日(土)、名門中山カントリークラブにおいて、恒例となりました「54ら会ゴルフを楽しもう会 新春初打ちゴルフ」が開催されました。
今回は新メンバー2名を迎え総勢20名が集まりました。
ゴルフのお陰で仲間が増えていくのはとても嬉しいことです。
当日は雲一つない快晴に恵まれ気持ちのよいラウンドとなりました。
ゴルフを楽しもう会ゴルフでは順位も付けなくて、同期が集まって楽しくゴルフをするだけという会の名称通りのゴルフをしています。
いつもスタート前に集合写真を撮っています。写真を見ると松山英樹や岩井姉妹が写っているのかと見間違うほど若々しくて元気な仲間たちです。
ラウンドのあとは、楽しみな反省会です。プレーのあとのお酒が美味しいこと。
またここで、更に親交が深まっていきます。早稲田に入学して良かったなとしみじみ思う瞬間です。
いつも土日で開催していますが、そろそろ平日開催にしてはどうかという話もありましたが、皆が集まれる土日に次回もやりましょうということで、次回は6月1日(土)開催となりました。
メンバーみんな、次回ゴルフを楽しみにしながら毎日を過ごしています。

文責 益田 聡(理工)

参加者(50音順、敬称略)
稲葉浩久、浦島浩幸、遠藤辰也(反省会参加)、大和田秀二、
小山田薫、片桐孝宏、片桐幸、系野力、桜井直子、桜田雄幸、
篠崎行良、首藤典子、関口研、寺内千賀子、中村敏昭、
早川一秀、平野伸一、堀尾正明、前田佳子、益田聡、森元晴一

2024/01/20早稲田駅伝参加報告54ラン会

去る 1/20(土) 12:30より、日産スタジアムにて開催されました。今年も出走者に雨男が3人いる為 小雨に見舞われました。身体は殆ど濡れる事無かったのですが、この冬1番の寒さで芯底身体が冷え切ってしまいました。
が 反省会で中華三昧 餃子、焼売、小籠包で身体を暖めました。

1周 1.6k 14周を8人で襷を繋ぎ無事完走できました。
櫻井さんの娘さん 奥野さんが期待通りのラン、岡野さんの膝痛によるリタイアで木田さん、日比野さんに3周ランのおかげです。 

 結果
 タイム 1:58:02
     Over35 男女混合 43/69
     稲門会部門    12/20

年々 出走者が減少しており、今年は応援者も 2人だけと非常に寂しい思いがしました。
皆さん注目‼️     タイム、順位は二の次ですので是非来年も襷を繋ぎ、達成感を喜び合いましょう。

                            54ラン会 遠藤弘文

2024/02/16第16回冬の読書会

第16回冬の54ら読書会
2 月16日(金)
19:30~21:00
オンライン開催

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参加者がお気に入りの本を紹介しあう会です。年4回、2月、5月、8月、11月の第4金曜日に開催しておりますが、今回は、第3金曜日となります(第4金曜日が祝日となり、連休になるのを考慮しました)。各学部出身の参加者により様々なジャンルの本と出会えるのが醍醐味です。本のみならず、映画や雑誌でも大丈夫、また視聴のみの参加もOK。お一人、5分位でお薦めの本の紹介をお願いしています。おかげさまで16回まで回を重ねておりますが、ご都合の良い日のみご参加いただけます。参加費は無料です。
2月12日までにお申し込みください。

お申し込みの方にはzoom案内メールを差し上げます。

担当:宮田(政経)

2023/11/17第15回秋の読書会報告

第15回秋のオンライン54ら読書会                       2023.11.17

【参加者】

尾崎健夫(理工)、篠原泰司(一文)、首藤典子(一文)、
山口伸一(理工)、仁多玲子(商)、鈴木伸治(商)、
石河久美子(一文)、宮田晶子(政経)、斎藤悟(社学)、
前田由紀(一文)

(以上10名、敬称略)

最近まで20度を超える日々が続いたと思えば、急に10度未満の極寒になり、温度の変化に体が追いつかないこの頃。紅葉もやっと見ごろとなった。第15回となった54ら読書会は、建築学科出身の尾崎さんを新たにお迎えし、読書の秋を満喫した。

多岐にわたる本に関する参加者からの紹介文を掲載する。(発表順、文体は常体に統一)

なお、これまでの 読書会報告集Book List、もご覧いただけます。

〇尾崎健夫(理工)

『大図説 世界の建築』ジョン・ジューリアス・ノリッジ編/堀内清治他監修、小学館 

(昭和52年初版 日本語版編集制作(株)一ツ橋美術センター)
世界における歴史上の名建築を約800の図版、写真とテキストで紹介した事典的読み物。アジアと中南米、古代、中世、ルネサンス、近代から現代へという大胆な章立てで、解説が展開する。今の我々には、ややヨーロッパに比重がかけられている感もあるが、それだけ欧州の建築文化が世界に与えた影響が小さくなかった証左とも言えるかもしれない。

〇篠原泰司(一文)

『「人口ゼロ」の資本論 接続不可能になった資本主義』大西広、講談社+α新書

SDGsと資本主義の問題よりも少子化(人口問題)と資本主義の問題の方が日本人にとっては、より深刻ではないか?危機から目を逸らしたほとんど効果のないような「異次元の少子化対策」では確実に日本は消滅していくだろう。統計資料を駆使した説得力のある本だ。

『キリスト教の本質 「不在の神」はいかにして生まれたか』加藤隆、NHK出版新書

信仰という立場からは距離をとり、客観的にキリスト教の本質を述べている。ユダヤ教とキリスト教の接続や四つの福音書の成立事情など、私にとっては、意外なところで、新しい知識を見つけるような驚きを感じさせる本だった。以前からキリスト教関係の本は多く読んできたつもりだが、この本には独特の説得力を感じた。とにかく、考察の深みを感じさせられる本だと思う。

〇首藤典子(一文)

『トリニティ』窪美澄、新潮文庫

「三組」を意とするタイトル。それぞれ違う環境で育った3人の女性が、出版業界で出会い、「新しい女性」として成功し脚光を浴び、学生運動の混乱時には共に争いの中に飛び込む。学生とともに社会に抗ったというきっかけが三人の結び付けを強める。そしてそれがそれぞれの仕事、生き方に強い影響を及ぼす。その後時代の流れにより、新しい世代に仕事を取って代わられ、老後は幸福とは言えないが、その三人のことをそのうちの一人の娘が記録し、本にすることで未来へ残す。かっこよく働く女性の先駆けとなった三人の話である。

『ゆりかごで眠れ』垣根涼介、中公文庫

日本が移民政策をとっていた時代、南米に渡った日系二世が、10歳の時にゲリラに両親を殺害された後、現地の女性に引き取られる。孤児の賢さに気付いたその女性に上の学校にいくように勧められ、進学が決まった直後、その女性が、実の息子と共にマフィアに殺される。その憤りが彼を日本人マフィアにし、復讐をする。復讐は成功するが、その争いの時に見つけた女の孤児を自分の子供のように育てる。日本で麻薬の取引を企てたときに、警察に捕らえられた子分を救い出そうと周到な準備をするが、直前に仲間内の抗争で殺害したグループの生き残りの返り討ちに遭い倒れる。愛情を持ったことが彼を弱くしたのかというところで終わるハードボイルドタッチのストーリーであった。

〇山口伸一(理工)

『月』石井裕也監督 辺見庸原作(角川文庫)

書けなくなった小説家(宮沢りえ)が重度障害者の施設に勤務し、介護職員のさとくんが、障害者を次々と殺戮する事件を起こすまでを描いた作品。さとくんは、障害者を邪魔者、汚物だと主張する。違和感を覚えるが、100%間違っているとは反論出来ない。

観たくない映画でもあるが、観なくてはいけない佳作。

『愛にイナズマ』石井裕也監督

 これは「月」と同時期に寡作の石井裕也監督が制作した作品。佐藤浩市、松岡菜優、池松壮亮の演技派に混ざっての窪田正孝の演技がひときわ光る。家族の意味を知らない窪田が、崩壊した松岡ファミリーの再構築を目撃して、ハグしあうシーンには感動。ハグの意味と効果を再認識した。

〇仁多玲子(商)

『人生たいていのことはどうにかなる』高尾美穂、扶桑社

 皆さん、ご存じかどうかわかりませんが、著者は、産婦人科医の高尾美穂先生である。最近、出された本だ。高尾美穂先生は、よく、朝NHKで放送している「朝イチ」にゲスト出演されていて、産婦人科医の目から女性にいろいろアドバイスされている。

 彼女の人生観や、いろいろな物の見方、考え方が、この本を読むとよくわかる。私は、すごく共鳴した。皆さんは、どうですか。一度手にとって読まれると面白いと思う。

〇鈴木伸治(商)

『2050年の世界 見えない未来の考え方』ヘイミシュ・マクレイ著、遠藤真美訳 日本経済新聞出版社 2023/7/10

著者は、英インディペンデント紙経済コメンテーター。1990年代に出版した『2020年地球規模経済の時代』での将来予測と現実での学びから、更に一世代(30年)後の世界経済がどうなっているかを、最新の経済モデルや過去2000年以上の各国国内総生産(GDP)の長期推計などを参考に、概ね前向きな展望として素描した本である。

 アメリカ大陸、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、オセアニアの主要国の現状を示した上で、今後の変化をもたらす「人口動態」、「資源と環境」、「貿易と金融」、「テクノロジー」、「政府と統治」の5つの観点を説明し、その結果として前述の主要国がどうなっていくかを予測している。世界各国の現状と30年後の姿についての一つの考えを知ることができる。

〇石河久美子(一文)

『サーカスの子』稲泉連、講談社

著者は早稲田の卒業生。大宅壮一ノンフィクション賞も受賞している。著者は幼少の一時期を母親と共にサーカス団に参加し、全国を旅するという稀有な経験を持つ。その子ども時代の夢のような時間を、40年後、当時のサーカス団員を訪ねて話を聞きながら再体験していく。テント生活で旅から旅を繰り返す団員たちの仲睦まじい日常、100回以上の転校を繰り返すサーカスの子、退団後の通常の暮らしに適応することの困難さ、時代と共にサーカスが衰退し廃業していく様子などが浮き彫りになる。夢か幻かと思われる非日常の世界を繰り広げ、跡形もなく去っていくサーカスは、どこかあやしくもの悲しい。サーカスの追体験とともにサーカスの裏側も知ることができる貴重な書。

〇宮田晶子(政経)

『春にして君を離れ』 アガサ・クリスティー (ハヤカワ文庫)

クリスティーだが推理小説ではない。しかしミステリ的な要素もある作品。あるイギリス人女性が主人公。弁護士の夫を持ち、三人の子どもを育て上げ、家を守り、裕福で円満な幸せな家庭を築いている。本人も自分がやってきたことに自信を持ち、満足している。しかし、実はそうではない。この主人公は表面にばかり囚われて、物事の本質を見られず、人の本当の気持ちが理解できないために周りの人々を不幸にしてきた。娘の病気見舞いに訪れたバグダッドからの帰路、彼女は過去を思い出しながら、そうした自分に少しずつ気づいていくのだが‥イギリスに戻ると「やはり自分は元のままで良いのだ」と戻ってしまう。極端な描写はあるけれど、こういう女性は世間にいっぱいいるような気がする。また結局改心できないままという結末は残酷だけど、クリスティーらしい。

〇前田由紀(一文)

『相思樹の歌』西園徹彦、左右社

 ひめゆり学徒隊となる第一高女の卒業式のために、青年少尉太田博が作詞、第一高女の音楽教師東風平恵位が作曲した「相思樹の歌」の実話を元に創作された小説。二人とも戦死したが、この曲の生まれた奇跡に驚く。戦争の本土最前線として多くの若者が犠牲となった沖縄を舞台に、戦争末期の悲惨さと理不尽さの中、女生徒の美しい歌声が聞こえるような心持ちになる。戦後の沖縄も描かれ、沖縄の歴史を顧みた。「相思樹の歌」も聴いてほしい。

『福田村事件』森達也監督、辻野弥生原作(五月書房新社)

 関東大震災から今年で100年になった。その直後、朝鮮の人たちに関わる流言飛語が飛び交い、自警団と称して朝鮮人を襲撃する事件が各地で起きた。千葉の旧福田村でも、香川からたまたま来ていた薬売り行商団が朝鮮人に間違われ、地元の人たちに、妊婦、幼児を含め9名が惨殺された事件があった。この映画をきっかけにこの事件を知ったが、デマ・流言を信じてしまう人々の狂気の沙汰に戦慄した。記憶にとどめておきたい。

次回の第16回冬のオンライン54ら読書会は、2月16日(金)19:30~21:00に予定しております。司会は、宮田晶子さん(政経)。是非、ご参加ください。

 

2023/08/25第14回夏の読書会報告

2023.8.25

【参加者】

篠原泰司(一文)、村山豊(法)、鈴木伸治(商)、内田大雅(二文)、石河久美子(一文)、沖宏志(理工)、露木肇子(法)、山口伸一(理工)、前田由紀(一文)、斎藤悟(商)、仁多玲子(商)宮田晶子(政経)

(以上12名、敬称略)

 54ら会のオンライン読書会、3ヶ月ごとの開催で14回目を迎えました。今回は常連の皆様に加え、初参加の方がお一人いらっしゃいました。読書会の仲間が増えるのは嬉しいことです。

 以下は当日、挙げていただいた本を発表者のお名前とともに紹介いたします。推しの本について、それぞれ長いコメントをいただいており、それをそのまま(文体は常体に統一しました)掲載しております(順不同)。

なお、これまでの 読書会報告集Book List、もご覧いただけます。

1 篠原泰司さん(一文)

『一下級将校の見た帝国陸軍』 山本七平(文春文庫)

 1980年に出版された本ではあるが、現在も愛読者が多くぜひ読んでみたいと思っていた本。

一下級将校としての自己の従軍経験をとおして見た日本人の心性や日本的組織への洞察が素晴らしい。戦後78年を経過しても日本人と日本社会は、悪い意味でその本質を変化させずにいるのだと感じさせられた。

『マイ・ブロークン・マリコ』 平庫ワカ(KADOKAWA)

 昨年(2022年9月)に映画化され、023年8月29日現在Amazon Primeで無料視聴が可能。

「布団の中から蜂起せよ」という本で取り上げられていて興味を惹かれてコミック本を購入したのが数か月前。最近Amazon Primeで映画も視聴。なかなかの出来だと思った。

 主人公シノイトモヨが、父親からのDVの末に自殺した友人のマリコの骨壺を強奪して、東北地方にある「まりがおか岬」まで行って散骨するまでの話。ロードムービーである。シスターフッド(女性同士の連帯)の文脈にDVを置くことで新しい視界(希望?)が開かれたような気がした。「布団の中から蜂起せよ」p.83で高島玲が「物語が必要だ」と述べていることの意味はこういうことなのかもしれない。

2 村山豊さん(法)

『風と共に去りぬ』 マーガレット・ミッチェル(新潮文庫)

NYMC男声合唱団の演奏会準備で南北戦争に興味を持ち、「風と共に去りぬ」を初めて「いまさら」読んだ。南北戦争が太平洋戦争と酷似していると感じる一方、女性視点(妻、義妹)とのギャップが興味深い。レット・バトラーは素敵だがありふれたタイプ、スカーレットは可愛いが性格的に私には耐えられないと感じた。多面的なテーマ(恋愛、南北問題、黒人問題)と強烈な南部英語の表現が印象的で、原文も確認してみたいと思う。  例えば「命令形+さもないと『生皮を剝がしてやる』『尻を蹴っ飛ばしてやる』」等々

3 鈴木伸治さん(商)

『農業問題−TPP後、農政はこう変わる』本間正義(ちくま新書)

 相続した農地は、農地としてしか利用できず、賃貸・譲渡も農業者にしか認められていないと聞いていたので、農地に係る規制の内容について、市役所の農業委員会に聞きに行ったところ、「農地に係る規制を取りまとめた資料はなく届出書があるだけで、根拠となるものは法令で法令にあたってほしい」との回答であった。そのため、農地規制の解説書を探したが見当たらなかったことから、まずは日本の農業に関する本として読んだもの。

 日本の農業は、戦後の農地改革によって農地を小作農に解放したため小規模家族経営の農家を増大させ、それを保護するため現状でも農地の所有は農業者に限られ、法人は農業者が決定権を掌握する農業生産法人にのみ認める制度になっている。このため、農地が英国の1/40、フランスの1/20程度と小規模な農家がほとんどであるという日本農業の問題解決を阻害している。

 ただし、日本の農家は兼業農家が大層を占めて貧しくはないことから小規模優遇政策を支持しており、さらに農業協同組合は組合員や取扱高、政治家は農村票、農水省は予算の維持のため小規模優遇策を推進することになる。

『高慢と偏見』ジェイン・オースティン著 大島一彦訳(中公文庫)

 14年前に「自負と偏見」中野好夫訳を読んで高評価の記録を残しているものの記憶に残っていないことから、再読するために最近の訳本を比較して自分の世代に適っているのではないかと思い紹介したい。(注)次の冒頭の訳はあるWebに掲載されていたもの。

・中野康司訳、「高慢と偏見」ちくま文庫(2003年)

 金持ちの独身男性はみんな花嫁募集中にちがいない。これは世間一般に認められた真理である。

・小尾芙佐訳、「高慢と偏見」光文社古典新訳文庫(2011年)

 独身の青年で莫大な財産があるといえば、これはもうぜひとも妻が必要だというのが、おしなべて世間の認める真実である。

・小山太一訳、「自負と偏見」新潮文庫(2014年)

 世の中の誰もが認める真理のひとつに、このようなものがある。たっぷり財産のある独身の男性なら、結婚相手が必要に違いないというのだ。

・大島一彦訳、「高慢と偏見」中公文庫(2017年)

 独身の男でかなりの財産の持ち主ならば、必ずや妻を必要としているにちがいない。これは世にあまねく認められた真実である。

4 内田大雅さん(二文)

『死の講義』橋爪大三郎 ダイヤモンド社

 この本のテーマは死である。著者曰く、「日本人は死ぬということがどういうことか分かってない人がほとんどだ。それは言い換えれば、生きるとはどういうことかということが分かっていないという可能性が高い。この機会に死を鏡にして、自分の生きているいうことを照らし直してみよう」この本は僕が僧侶を目指して修行を積んでいたときに読んで、とても勇気づけられた。

5 石河久美子さん(一文)

戦争花嫁に関する本を2冊紹介した。

『非色』有吉佐和子(河出文庫)

 黒人兵と結婚した主人公が、混血児を日本で出産、その肌の色などで差別されることから、夫の住むニューヨークに移り住むが、そこはハーレム、稼ぎの悪い夫と次々生まれる子どもを抱えながら、貧困の中で生き抜く姿が描かれる。また、白人と結婚し裕福な生活をしていると思っていた戦争花嫁の知人が、アメリカ社会では、黒人より下に位置づけられるプエルトリコ人と結婚して自分よりさらにひどい生活をしていた顛末などが描かれる。アメリカの社会階層、人種問題の複雑さがストーリーを通して浮き彫りになっていくパワフルな作品。

『花嫁のアメリカ』成常夫(論創社)

 写真と文章を組み合わせたフォトノンフィクション。1970年代後半、100名余りの戦争花嫁を撮影取材、さらに20年後、その後の花嫁たちの動向を追ってまとめたもの。文化や言語の違う異国で離婚しシングルマザーになったり、「非色」の主人公のように黒人と結婚して差別や偏見にさらされたりの過酷な人生が本人たちの言葉で淡々と語られる。戦争花嫁たちは生きていれば大半が90代、すでに鬼籍に入った人も多い。花嫁たちの実態を記した貴重な記録である。

6 沖 宏志さん(理工)

『老神介護』劉滋欣(角川書店)

 5つの短編集。『地球大砲』は、主人公が「世界を破滅に導く男の子」で、野心と創造力をあわせ持つ。この男の子は中国、もしくは中国共産党を連想させた。「一党独裁全体主義」と「イノベーション」を今のところあわせ持つ中国が世界を破滅に導かないことを願う。

「扶養人類」は、貧富の格差がますます拡大して、地球がほとんど一人の金持ちの私有財産になってその金持ちが大衆に「地球から出ていってくれ」という話。ピケティの「テクノロジーの進化により、全人類の総需要が一人の人が半日働くだけでまかなえるようになった時、富の分配はどうするのか?」という問いかけに思いをはせた。

7 露木肇子さん(法)

『「赤毛のアン」の秘密』小倉千加子 (岩波現代文庫)

 1908年、カナダで、L・M・モンゴメリ作「グリーンゲイブルスのアン」が出版された。日本では1952年に村岡花子訳「赤毛のアン」の初版が出た。

 その後1979年にフジテレビがアニメを放映し、2014年にはNHKが朝ドラ「花子とアン」で村岡花子の生涯をとりあげ、2017年にはカナダで「アンという名の少女」というテレビドラマが始まり、現在もNHKBSで放映されているという人気ぶりだ。舞台となるカナダの片隅にあるプリンスエドワード島には、日本人観光客がひっきりなしに訪れ、日本で出版される写真集も多い。

 私も小学生からのアン・フリークで、モンゴメリの全作品を読破し、プリンスエドワード島どころか、モンゴメリが結婚してから15年ほど住んだトロント郊外のリースクデールまで訪れている。

 「赤毛のアン」にはいくつか謎があるが、最大の謎は、なぜ「赤毛のアン」は特に日本の少女に人気なのかである。

 またモンゴメリは、晩年はうつ病にかかり、1942年に67才で自殺したと言われているが、なぜモンゴメリは自殺に至ったのか、これが次の謎である。

 著者は早大院卒の心理学者であり、本著においてモンゴメリを冷酷に分析してこれらの謎に迫っているが、それはアン・フリークには時に怒りを覚えさせるほどの内容である。しかし、一方で、自己の矛盾を気付かせてくれる、私にはどうにも無視し難い本である。

8 山口伸一さん(理工)

『地図と拳』 小川 哲 (集英社)

 第168回直木賞受賞作。命をかけて満州の測量を描いた親子二代の技師の物語。

 ロシアの日本侵攻の恐怖にどう対抗するかで日本は満州の侵略を選択した。が、日清戦争で中国軍隊は恐れるに足りずと誤解した日本軍は、民衆の激しい憎悪からの抵抗に苦戦する。

 歴史上、外国との戦争や交渉の経験が浅い日本人に海外の統治は可能なのか。日本人が他人を使って事をなすマネジメント能力の低さを痛切に感じた。

9 前田由紀さん(一文)

『牧野富太郎自叙伝』牧野富太郎(講談社学術文庫)

 NHK朝の連続ドラマ「らんまん」のモデルとなった牧野富太郎の自伝である。日本植物分類学の草分けとして研究に邁進した軌跡は、実に面白い。土佐の旧家出身であるが、学問の盛んな土地柄で、十代前半で、福沢諭吉『世界国尽』、河元幸民『気海観瀾広義』等の日進の学問に触れ、英学もかなり早くから専門書を読んでいた。独学で植物学に関する書物を読み尽くし、精細な図解の技量も会得する。突出する才能は、大学では妬みの対象となり、冷たい処遇を受け、経済的にも困窮するが、土佐の岩崎氏など様々な篤志家が現れ、支援を受ける。最後まで一書生然として嬉々として研究に励み、採集で野山を駆け巡る姿は、清々しい。軽妙な語り口は、ユーモアにあふれている。家族の手記もあり、昭和天皇へのご進講で、皇居の植物について天皇と語り合う幸福な場面が印象的だ。

 読書会で、露木さんから、同じく牧野博士を主人公とした朝井まかて著『ボタニカ』を紹介された。自伝では独りよがりの面もあり、より客観的な牧野像が描かれていることだろう。

10 宮田晶子(政経)

『マチスのみかた』猪熊弦一郎(作品社)

 2023年8月20日まで開催されていたマティス展。それでマティスの弟子であった洋画家、猪熊弦一郎のこの本を手に取ってみた。画家の鑑賞の仕方というのが興味深かった。また、マティスはピカソのような天才というより努力の人なのだと感じた。単純化された簡単そうに見える線は何十枚ものデッサンから生み出されたもの。「マティスが好きと言い得るが、わかる事は難しい」という言葉に納得した。

本の紹介はされませんでしたが、ご参加下さった方から次のような感想をいただいています。

仁多玲子さん(商学部)

 先日の読書会は、今回紹介したい本が見当たらなく、見学で参加させていただきました。

 皆さんが紹介する本は、ユニークで聞かないと知らない本ばかりで、とても面白かったです。なかには、有名な本を、自分流に紹介された方もいますが、それはそれで興味深かったです。 幹事の皆さん、いついつもありがとうございます。読書会の盛会を、これからもお祈りします。

2023/11/03〜04 ゴルフを楽しもう会 秋合宿報告

紅葉秋合宿

ゴルフを楽しもう会「秋合宿」第10回を開催
平成26(2014)年から開催している「54ら会ゴルフを楽しもう会秋合宿」を恒例の『きぬがわ高原カントリークラブ』で11月3日~4日、1泊2日2プレーで実施しました。
今回は開始から数えて、10回目の記念の会となりました。
コロナも比較的落ち着いてきた中の開催でしたが、やっと旅行も懇親会も楽しめるタイミングになり、皆さんの笑顔溢れる会になりました。
今回は15人が参加。
鬼怒川温泉駅からゴルフ場に向かう日塩もみじライン途中にある白滝では、クラブバスを停めていただき紅葉真っ盛りをバックに記念撮影。小春日和の暖かい、そして晴天の下で2日間ゴルフを楽しみました。
ゴルフ場でも紅葉、そして夜は木星が特に明るく見える「衝」の日で、皆で満点の星空を満喫しました。
12人用ロッジを2棟独占し、石川ご夫妻のご協力で高級なブランド牛のすき焼き・しゃぶしゃぶ・塩ちゃんこを食しながら久しぶりの対面で仲間との時間を共有できたことは、この上ない幸せでした。
帰路は鬼怒川温泉駅で足湯を楽しみ、さらに今年7月15日からサービスを開始した新型特急「スページアX」で新しい贅沢を満喫。
「秋合宿は続く」を皆さまで約束して浅草駅で解散となりました。
(小山田 薫 記/文責者)

【参加者】(50音順、敬称略)
石川昌義、石川 由美、稲葉 浩久、遠藤弘文、小山田 薫、大和田秀二、片桐孝宏、片桐幸、系野力、櫻井直子、首藤典子、中村敏昭、益田聡、森元 晴一、横田敬介

2024/01/27初打ち54らゴルフ

中山カントリークラブにて

日程  2024年1/27(土) 
ティーオフ  OUT 9:59 より5組

場所  中山カントリークラブ  
〒276-0007 千葉県八千代市桑橋(そうのはし)1299番地 
TEL 047-459-2141 / FAX 047-450-3321

料金  決定次第表示します 

集合  東葉高速鉄道 八千代緑が丘駅 
8:50発 のクラブバスに乗ります 

自家用車の方は現地でお会いしましょう。 

スタート15分前に全員で記念写真を撮ります。 

新年会  場所が決定次第表示します 

先着 20名 

幹事:中村(理工)、益田(理工)

2024/01/20 54ラン会 早稲田駅伝

早稲田駅伝が、2024年1月20日(土曜日)
日産スタジアム(横浜市)
で開催されます。

https://www.wiz-spo.jp/waseda-ekiden/

54ラン会でチームを組んで参加予定。
メンバー募中です。
1周1.6キロのコースを2〜10人で14周(合計22.4キロ)します。
ひとり1周以上走れば、走順は自由です。

2023/12/16臨時総会&忘年会

54ら会『2023臨時総会&忘年会』のお知らせ

ようやくコロナ禍の縛りから解放された2023年。
この一年を締めくくるために『2023臨時総会&忘年会』を予定しています。
54ら会の活動の報告のあと,お楽しみ講演会や余興などで時間を共有しましょう。
万障繰り合わせの上,ご参加下さい。
なお,収容人数に限りがありますので先着順とさせていただきます。
      
      記
日時:2023年12月16日(土)15:00~18:00
場所:染谷国際記念会館 レセプションルーム
   https://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2014/06/map_jp.pdf
会費:5,000~6,000円程度

2023/11/17 第15回秋の読書会

11月17日(金)
19:30~21:00
オンライン開催

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参加者がお気に入りの本を紹介しあう会です。
年4回、2月、5月、8月、11月の第4金曜日に開催しておりますが、

今回は、第3金曜日となります。
各学部出身の参加者により様々なジャンルの本と出会えるのが醍醐味です。
本のみならず、映画や雑誌でも大丈夫、また視聴のみの参加もOK。
お一人、5分位でお薦めの本の紹介をお願いしています。
参加費無料で、ご都合の良い日のみご参加いただけます。
11月13日までにお申し込みください。
お申し込みの方にはzoom案内メールを差し上げます。

*過去の読書会の様子は54ら会HP「活動報告」からもご覧いただけます。

これまでの読書会報告集
これまでのBook List

担当:前田由紀(一文)