2025/08/30~09/01 54ら会 IN松山

8月30日(土)〜9月1日(月)
開催場所 愛媛県松山市内
集合 8月30日(土)14:00
   「県庁前ホテルアビス松山」ロビー
スケジュール概要
8月30日(土)
14:00 集合後 タクシー分乗して 坊ちゃん球場へ
15:00 オール早慶野球戦セレモニー開始
16:00 早慶戦開始 応援
試合終了後、松山市内に戻り 夕食
8月31日(日)
昼間は自由行動 ゴルフ組と観光組に分かれてエンジョイ
18:00〜 54ら会開催
その後解散
往復の交通手段は各自で手配
宿泊  原則各自で手配
    ただし
    「県庁前ホテルアビス松山」シングル 15室予約済み
    朝食付き2泊 13,000円 (2連泊が条件、希望者先着順)
松山でのコーディネーター  大森 豊、藤本冨通
担当幹事  櫻井直子
    

2025/08/22夏の読書会

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★08/22 第22回オンライン夏の54ら読書会
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8月22日(金)19:30~21:00
会場:Zoomによるオンライン開催

参加者がお気に入りの本を紹介し合う会です。
年4回、2月、5月、8月、11月の第4金曜日夜に開催しています。
各学部出身の参加者により、さまざまなジャンルの本と出合えるのが魅力です。
本だけでなく映画や雑誌の紹介でも結構です。また視聴のみの参加も歓迎いたします。
お一人、5分位でおすすめの本の紹介をお願いしています。
参加費は無料で、ご都合の良い日のみご参加いただけます。
*過去の活動内容につきましては、54ら会HPの活動報告からご覧いただけます。

締め切り:参加申し込みは8月18日(月)まで。
ご希望の方は、54ら会HPからお申込みください。
☆お申し込みの方にはZoomご案内メールをお送りします。

担当:宮田(政経)

2025/6〜7月観劇会

★☆★ 観劇会:花組 ★☆★
『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~
『愛, Love Revue!』

https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2025/dracula/index.html

54ら会員を対象とした観劇会です。
ご友人へのチケット斡旋・譲渡はご遠慮ください。

ご希望の方は、54ら会HPからお申込みください。
日時等の詳細をお知らせいたします。

担当:山口(商)

2025/06/08第4回ビール会報告

第4回ビール会(街歩き付)の報告

2025年6月8日(日)、旧万世橋駅跡にある「常陸野ブルーイング・ラボ」にて、第4回目となる「ビール会(街歩き付)」を開催いたしました。

今回の街歩きは、神田明神 → 湯島聖堂 → ニコライ堂 → 神田須田町界隈のレトロな街並みを散策し、最後に旧万世橋駅跡(マーチエキュート)および万世橋を巡るという、神田に残る歴史をたどるコースでした。
戦災を免れた須田町周辺では昭和初期に建てられた歴史的建造物が今もなお現役で使用されており、まるで当時にタイムスリップしたかのような風情を味わうことができました。旧万世橋駅跡ではかつてのプラットホーム跡を電車がすり抜けていくのが見られ、鉄道ファンにはたまらないスポットです。
街並みや駅の跡地など東京にもまだこんな素敵な場所が残っているのだと改めて感じさせられるひとときでした。
街歩きの後、いよいよお楽しみのビール会です。
会場は、旧万世橋駅跡マーチエキュート内の「常陸野ブルーイング・ラボ」。
茨城県の木内酒造が手掛ける「常陸野ネストビール」を味わいました。日本酒の酒蔵としても知られる木内酒造が作るビールは、ペールエール、バイツェン、IPA、フルーツビールとヘイジーなど多彩なラインナップです。各自お気に入りのビールで乾杯し、街歩きの感想やビール談義に花を咲かせ、大いに盛り上がりました。

さて、次回は暑さを避けて10月5日(日)を予定しております。次も、また新たな東京の魅力を発見する街歩
きになることでしょう。
どうぞお楽しみに!

文責 益田 聡(理工)

参加者(50音順、敬称略)
遠藤、奥田、向坂、今野、篠原、種村、永田、益田聡、益田あけみ

2025/05/13幹事会報告

1.日 時  2025年5月13日(火)18時15分~19時15分

2.場 所  校友サロン

3.出席者 (順不同・敬称略) 益田あけみ・益田聡・福島・
 櫻井・林原・平野・向坂・縣・大和田・村瀬・奥田・日比野

4.内 容

(1) 校友会関連

  ・なし

  (2) 決定・確認した事項

   ① 2024年度 会計報告

  鈴木さん(会計)作成、別紙内容を日比野が報告。これに対して縣さん(監査)から、
会計は規則通り管理され、必要な証跡も具備されている
ことが報告され、出席幹事で内容を承認した。他幹事へは、本議事録添付の内容でメール発信にて確認を諮ることとした。

   ② ZOOM会議システムの更新の件

幹事会並びにオンライン読書会での活用実績を報告。
システム利用の有効性確認の上、次年度のシステム更新を承認した。費用2万3千375円/年
なお、今後、他の利用・活用拡大を考えていこうとの意見が出された。

     ③ 稲門祭の準備状況

    ・模擬店(54ら亭)・パンフレットへの広告掲載 申し込み済

    ・屋外企画の件

     ㇾ TKB54らダンサーズによる演舞
       (54ら会テーマソング)メインで企画。
       出演者紹介を含めた演舞紹介のイントロ部で70年代の
       懐かしい歌を稲門祭への参加者で唱和の内容で企画書を
       作成、申し込みすることとした。

     レ 企画詳細の担当は、村瀬さん

    ・打ち上げ会
     会場としてフロンティア倶楽部早稲田会館レンタルルームを
     仮予約することとした。

   ④ 稲門祭 屋外企画TKB54らダンサーズ練習会会場費用補助の件
    8月末以降、計6回の練習会会場費(2,500円~3,000円/回)
    の補助が提案され、54ら会会計費用から補助することを承認した。

   ⑤ 54らグッズ新規作成の件
       稲門祭での54らグッズとして人気が高い黒Tシャツを
     10枚(@2,400円)を作成する。

   ⑥ 母校支援費の対象の件
    「早稲田大学応援基金」5万円で寄付することを承認した。

   ⑦ 組織強化通信・補助費の件
    来年の年賀状での54ら会挨拶で活用する

   ⑧ 幹事メールリストの整理
    幹事会への出席、54ら会イベントへの参加状況を踏まえて、
    平野,日比野,林原でメールリストを整理することとした

  (3) イベント開催に関する情報

   ① 第4回54らビール会 担当:益田聡,益田あけみ
     6月8日(日)14時~18時
     湯島聖堂、ニコライ堂、神田須田町界隈を歩き、旧万世橋駅跡内 
     常陸野ブルーイング・ラボでビール会
     東京建築祭2025(5/17~5/25)ガイドツアー「神田田町・須田町」(益田あけみさんツアーガイドとして参加)の後半と街歩きコースが同じ

   ② 54ら会 IN 愛媛松山(案) 担当:櫻井
     8月30日(土)~9月1日(月) 
     現在、申し込み者12名。
     宿泊先として予約済みの「県庁前ホテルアビス松山」余裕あり

(4) 次回以降の幹事会開催予定
6月3日(火)19時30分~20時30分
       オンラインにて開催
7月1日(火)18時15分~19時15分
       校友サロンにて対面で開催
8月5日(火)18時15分~19時15分
       校友サロンにて対面で開催 

                                    

以 上

2025/10/19稲門祭 TKBダンサーズ&54ら亭

今年の稲門祭は10月19日(日)開催予定です。
https://www.wasedaalumni.jp/tomonsai/

3号館前の屋外特設ステージで
54ら会TKBダンサーズのパフォーマンスを披露する予定です。
つきましては、
54ら会テーマソングに合わせて踊るTKBダンサーズの新規メンバーを募集します。
音楽に合わせてからだを動かすのは、気持ちのいいものです。
老化防止にもなりますよ!
6月11日(水)18:00からキックオフミーテイィング
四谷地域センター12F多目的ホール
練習会は8月末から4〜5回を予定していますので、
そのうちの2〜3回参加できればOKです。
興味のある方は問い合わせください。

例年通り模擬店「54ら亭」も出店予定です。
54らグッズ販売、どらやき販売、銘酒飲み比べセットを予定してます。
ラグビー部OB会とのコラボで、ラグビー部のグッズ販売も行います。
54ら亭の販売スタッフも募集します。
10月19日、9時から15時の間でご都合のつく時間帯をお願いできればと思います。
お手伝いいただけそうなかたは、連絡ください。

2025/06/23第16回ボウリングの集い

日時:6月23日(月)14時~
場所:高田馬場グランドボウル
   ビッグボックス8F
競技方法:2ゲームハンデ戦
     個人・チーム戦
会費:約4000円 ゲーム代・靴代、懇親会代
表彰式:ゲーム終了後、最寄りの石庫門(中華)にて

締め切りは5月31日(土)とさせていただきます。

ゴジラの仲間たちと一緒に盛り上がりませんか?
         担当幹事 岡野 勝(理工)

2025/05/29テニス会(第3回)のご案内

テニスフリークの会員からご要望の多かった「テニス会」は、第1回を11月6日に、第2回を2月12日にそれぞれ8名で開催し、大いに盛り上がりました。

第3回を以下のとおりご案内いたします。井の頭恩賜公園はすでに初夏を迎え、陽光が照り付ける中でのプレー後のビールは格別です。プレー後には、コートから徒歩2分の幹事宅(3階屋上)にて、同期の皆様と楽しい懇親会(ビール会)を開催いたします。奮ってご参加ください。

今回ご都合がつかない方でも、次回以降の参加を検討される場合は、ぜひご連絡ください。 (次回は2025年9月を予定しています。)


日時: 2025年5月29日(木)15時~18時
場所: 井の頭恩賜公園テニスコート(コート番号は当日ご連絡いたします。)
参加資格: 54ら会会員およびその同居のご家族
会費: 都営コート使用料3,900円+ボール代800円(1面)を人数割り
(例:9名参加の場合、1人あたり約900円)
ゲーム形式: 未定(参加人数により決定します。)


特長

  1. 初心者・初級者の方でも楽しめるように、組み合わせを工夫いたします。
  2. 4ゲームまたは4ゲーム先取制を採用します。(人数により決定します。)
  3. 女性保護ルールがあります。(女性へのボディアタック禁止など)
  4. 地元54ら幹事3名とも初中級または中級レベルですので、気軽にご参加ください。
  5. 終了後、徒歩2分の幹事宅屋上で懇親会(ビール会)および成績発表会を開催します。
  6. 懇親会終了後、井の頭公園を散策しながら吉祥寺駅まで徒歩で向かい、記念撮影後に解散となります。

Q&A

Q1: テニス同好会ではないのですか?
A1: 現時点では中核メンバーの人数が見えないため、当面はスポット開催とします。関心をお持ちの方の概数を把握するため、「今回参加できないが関心あり」とご連絡いただけると助かります。

Q2: 開催頻度はどれくらいの予定ですか?
A2: 四半期に一度程度を予定しています。サークルとして定着した場合には、開催頻度が増える可能性もあります。

Q3: 毎回、井の頭恩賜公園コートで開催ですか?
A3: 幹事宅から至近であり、雨天中止時の現地確認や当日のコート登録などが便利なため、基本的に井の頭恩賜公園を利用しています。ただし、ご希望があれば別のコートの利用も検討いたします。

Q4: なぜ平日開催なのですか?土日開催の方が良いのですが。
A4: 都立公園のコートは抽選制で、土日休日は倍率が約20倍と非常に高く、なかなか当選が難しい状況です。参加者が多く集まれば、土日開催も可能になります。


地元幹事(いずれも三鷹・武蔵野市在住、学生時代のテニス部経験なし)

  • 粟飯原 計胤(あいはら かずたね)中級(法学部、早稲田英語会OB)
  • 奥野 高英(おくの こうえい)初中級(政経学部、ソフトボール部OB)
  • 村山 豊(むらやま ゆたか)初中級(法学部、少林寺拳法部OB)

前回の写真


2025/04/13早慶レガッタ応援会報告

2025年4月13日(日)隅田川で第94回早慶レガッタが開催されました。

54ら会では、例年どおり、54ラン会の隅田川テラスランとレガッタ観戦を予定していましたが、生憎雨の予報は前日になっても覆らず。仕方なしに、対抗エイトの応援だけとなりました。

14:00過ぎから、雨にもかかわらず、17人の54ら会応援団が、桜橋近くの墨田区側に三々五々集合しました。すでにオンラインでレースを観戦し、女子の35連勝と、この数年負けが続いていた第二エイトの勝利を見ていたので、俄然応援に力が入りました。

15:00スタートのやり直しがありましたが、スタート直後から早稲田艇がぐんぐん飛び出し、言問橋に見えてきたのは早稲田のみ。余程のアクシデントがない限り勝利を確信し、見事5艇身差で優勝しました。

なんと久々の完全優勝!!おめでとうございます。

祝勝会は吾妻橋「金の炎」のビルにあるフラムドールで。美味しいアサヒビールで祝杯をあげました。(櫻井直子記)

参加者

岡野勝 系野力 向坂真弓 櫻井直子 首藤典子 
住吉環 田角成人 種村隆久 戸叶哲 中村敏昭 
長坂裕 番平均 日比野悦久 平野伸一 福島碧 
福田光洋 益田聡   

2025/02/28第20回読書会報告

第20回冬のオンライン54ら読書会 2025.2.28

【参加者】

篠原泰司(一文)、鈴木伸治(商)、石河久美子(一文)、
露木肇子(法)、首藤紀子(一文)、山口伸一(理工)、
仁多玲子(商)、前田由紀(一文)、斎藤悟(社学)、
宮田晶子(政経)(以上10名、敬称略、順不同)

立春を過ぎて強力な寒波が襲来した2月でしたが、読書会当日は春を思わせる暖かな日でした。そんな夜に視聴のみの方を含め、10人の方に参加いただき、今回もさまざまなジャンルの本を持ち寄って本への思いを語りあいました。

以下、皆様から寄せられた紹介文ですが、文体などは統一いたしました。

なお、これまでの 読書会報告集Book List、もご覧いただけます。

〇篠原泰司(一文)

『昭和問答』 田中優子・松岡正剛、岩波新書

この「昭和問答」のあとがきが松岡正剛の絶筆になった。

あとがき1を田中優子が書いたあと、松岡正剛はあとがき2を書いた。そしてその原稿を脱稿したあとまもなく松岡は急逝したということだ。

昭和についてはいろいろと読んできた。それでもこの二人の挙げてくる視点や論点にはいままでにないものを感じた。とても面白く読んだ。

新書の帯に書かれた田中優子の松岡正剛に対する弔辞の言葉が印象的だ。「この本の刻まれた一つひとつの言葉の中に、私は次に行く光のかけらを、探し続けている。」

『青い壺』有吉佐和子、文春文庫

「昭和問答」の中で田中優子が有吉佐和子をとても高く評価しているように感じたので読むことにした。まずは「青い壺」。

折しもNHKの「100分で名著」で取り上げられたのがきっかけでベストセラーになってしまった。青い青磁の壺が幾人もの人物の所有を経ていく話なのだが、それぞれの人物にまつわる話がまさに昭和的な習俗や精神などの匂いを強く発散させていて、昭和を感じるならこの本しかないという感じの本だ。

『一の糸』 有吉佐和子、河出文庫

「昭和問答」の中で田中優子が一押しに推薦している有吉佐和子の小説。一人の文楽の天才的な三味線引きを支える女性の一代記である。古典芸能に対する深い造詣はさすがであるし、文体の堅牢さと構成力はさすがとしか言えない。それにストーリーのバランスをとった展開の仕方には読者に安心感を与えてくれる。これが有吉佐和子がいまだに支持される理由の一つなのかも知れないと思った。

〇鈴木伸治(商)

『半導体戦争−世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』クリス・ミラー ・千葉敏生(訳)、ダイヤモンド社

現在のデジタル世界を生み出してきた半導体産業のことが知りたくて良い本を探していたところ見つけたのがこの本。

本書は、アメリカ、ソ連、日本、東アジア(台湾・韓国)、中国などの歴史的文書の調査や、百人を超える科学者、技術者、CEO、政府官僚へのインタビューに基づき、軍事力のバランス、世界経済の構造、そして国際政治の形を決定づけ、私たちの暮らすデジタル世界を特徴づけてきたのが半導体であることを明らかにしている。

半導体の発展は、私が当初想定していた大企業や消費者(産業として)だけでなく、野心的な政府や戦争の要請によっても、というよりもより現代では後者の方によって形づくられてきていることが分かる。

その一例が、アメリカとの安全保障関係を強化するための戦略の一環として1960年代から意図的に半導体サプライ・チェーンの中に身を置き、世界で唯一シリコン上に118億個の微細なトランジスタを刻み込んだiPhone12のA14プロセッサ・チップを製造することのできる台湾積体電路製造(TSMC)を育てた台湾である。

〇石河久美子(一文)

『宙わたる教室』伊予原新、文芸春秋

定時制高校の科学部が、学会の高校生部門で入賞を続けJAXAの「はやぶさ」の開発にも貢献した実話に着想を得たフィクション。昨年秋NHKドラマ化され好評を博した。著者は、地球惑星科学の研究者から小説家に転じた経歴の持ち主。科学の知識を小説に取り入れた作風で今期の直木賞も受賞。

それぞれままならぬ人生を送り定時制にやってきた10代から70代までの生徒たちが、元研究者の教員と出会い、火星の重力下でクレーターを再現するという未知の研究に挑む。その過程で、自分たちの潜在能力に気づき、可能性を広げ自信を取り戻していく様子が生き生きと描かれる。研究の楽しさが伝わってくる清々しい小説。

〇露木肇子(法)

『ハイジ神話』ジャン=ミシェル・ヴィスメール、晃洋書房

最近BSでドキュメンタリー「スイスの象徴となった少女」を観て、「ハイジ」の変わらぬ人気と、作者シュピリ(1827~1907)がうつ病だったことを知り、「赤毛のアン」の作者モンゴメリと同じく、内なる情熱と社会的立場のギャップに苦しんでいたのではないかと考えた。その後見つけた本著によると、シュピリの父は病院経営者、母は宗教詩人、夫は政治家で忙しく、シュピリは幼少時より孤独で、創作に救いを求めたようだ。

 本著読了後「ハイジ」のほぼ完訳版(結構長い)を読んでみたところ、自然描写や詩の美しさ、ハイジのキャラクターや愉快なエピソードに魅せられた。

なるほど絵本にも映画にも、アニメにもなるわけだ。

 これらの魅力は「赤毛のアン」にもみられるもので、シュピリの約50年後に生まれたモンゴメリも、「ハイジ」を読んでいたことが窺える。

 ジェンダーに苦しむかつての女性作家達が生み出した物語は、世紀を越えて女性をジェンダーから解き放つ。

〇首藤典子(一文)

『花散る里の病棟』帚木蓬生、新潮文庫

四代続いた医者の家の物語。初代の野北保造は明治時代の終わり、九州帝国大学医科大学を卒業後公立病院副医院長につき、35歳で開業医となる。当時多かった回虫の治療で虫医者と呼ばれていたが、50歳の時胃潰瘍で死去。

その息子の野北宏一は、中学生の時に父が亡くなった為、苦学の末、九州医専に入学。短期現役軍医候補生に応募し、1943年にマニラの兵站病院で任務に就く。ジャングル内を逃げ惑いながら米軍の捕虜となる。手帳に克明に年月日と戦況を記載する。終戦直後、上官が高熱の為死去。遺品を手渡すように頼まれ、復員後、上官の妻の元を訪れる。尊敬していた上官のようになろうとその妻と翌年結婚する。戦地では栄養失調やマラリア等による病死が戦死者よりも多かったということに驚き、終戦直後、あと少しでの帰還を目前に果てた方達の無念を思うと心が痛む。

三代目は市立病院勤務の内科医だが、元従軍看護婦だった患者から終戦前後の朝鮮での話を診察の度に聞き、当時の様子に思いを巡らせていたが、終戦直後に厚生省引揚援護局直轄下で、引揚途中心ならずも妊娠させられた女性達の堕胎処置を隠密裡に行い郷里に帰したと聞き、その患者と共に水子の供養祭に行くことにする。

四代目は米国で腹腔鏡肥満減量手術を学んだ外科医だが、コロナパンデミックの中、習得したスキルを生かすことなく、逼迫した医療現場でコロナ感染患者の対応に明け暮れる様子が描かれ、ついこの間のことだが、改めて大変な時代だったと思い返してみる。

医師により描かれた作品に引き込まれるのは、命のやり取りの現場が実体験にしろ、聞いたことにしろ、切羽詰まった現場の様子が生々しく伝わってくるからであると思う。

医師を代々継がせ続ける家系の大変さを知る俳優の医家五代目の佐野史郎氏の説得力ある解説文も然り、著者の綿密な取材に感服する。

〇山口伸一(理工)

『檜垣澤家の炎上』永嶋恵美、新潮文庫

1964生まれの永嶋恵美氏の初長編。横濱で回船業を営む檜垣澤家の主人が亡くなり、幼くして引き取られた妾の子が、歳の離れた親族や姪、使用人などの人間関係の中で権力を手に入れる物語。大正の回船問屋の商売や関東大震災の悲惨な状況が詳しく描かれ、犯人の動機も謎解きも十分に納得できる2024年を代表する佳作。

〇仁多玲子(商)

『あしたはきっと大丈夫』高尾美保、コスミック出版

今回の読書会で、私は、産婦人科医である高尾美穂さんが書かれた「あしたはきっと大丈夫」という本を紹介した。高尾美穂さんは、NHKの朝イチによく出演されて、ヨガを披露したりする産婦人科医です。とんがり頭で、名前は知らなくても、見たことはある方は多いと思う。高尾先生が、女性、特に若いこれからの女性に、これからの生き方をアドバイスする本で、一つひとつ解説しているので、とても読みやすい。例えば、「なりたい自分をイメージしたら行動に移す」という項目で、自分はこうなると強く思い、そんな自分に近づいていくために具体的な行動や努力を積み重ねていくことで、理想を現実にしていくと語っている。若い女性だけでなく、今の年齢の私でも、あてはまるのではないかと思う。

〇前田由紀(一文)

『旅人 ある物理学者の回想』湯川秀樹、KADOKAWA

「ただ、私は学者として生きている限り、見知らぬ土地の遍歴者であり、荒野の開拓者でありたいという希望は、昔も今も持っている。」この自伝は、有名になるまでの20代で終わる。悩める若き研究者の心の軌跡が描かれ、内向的な性格や父親との確執等親近感がある。戦後まもなく彼がなぜ日本人初のノーベル賞受賞したのか、その謎に迫ることができる。

『河合隼雄 物語とたましい』河合隼雄、平凡社

河合隼雄は、日本におけるユング心理学を代表する学者である。物語に注目し、日本神話では対立する神が適当なバランスをもって共存している中空構造と位置づけ、西洋の中心統合型と対比させている。スイスでのユング分析家資格試験において、指導教官と筆者が対立するところが、特に興味深い。

「花嫁はどこへ?」監督キラン・ラオ、インド映画 

 二人の花嫁が満員電車で同じ赤いベールを被っていたことから取り間違えられ、離れ離れとなってしまう新婚夫婦のドタバタ喜劇。従順で健気な花嫁と自立を願うもう一人の花嫁が対照的に描かれる。インドの社会背景が良く理解でき、英米以外の映画をもっと観たいと思えた。

〇宮田晶子(政経)

『日本語が滅びるということ』 水村美苗、筑摩書房

 米国発のマネジメント誌の編集・出版という仕事に携わっている私からすると、カタカナという便利な文字があるがために、私たちの取り巻く言葉がどんどん英語に侵食されているように思われてならない。ここは日本語にしたい、と思っても、カタカナにしないと「界隈」の方には「わかってない」と言われてしまう。明治維新の開国で「西洋の衝撃」を浴び、豊かな近代文学を生み出した日本語だが、インターネットの登場とグローバル化の進展のなかで、その未来が危うくなっている。2008年に刊行された本だが、人工知能の急速な発達もあり、本書で提起された問題がますます差し迫っているように思われた。

*次回は、前田由紀さん(一文)の司会で、2025年5月23日(金)第21回冬の54ら読書会を予定しています。